朝日杯FSと
ホープフルSに有力馬が分散する牡馬と違って牝馬路線はほぼ一本道であり、この阪神JFには翌年のクラシック戦線をも見据えた有力馬が一堂に会することになる。舞台となる阪神芝1600mは紛れが少なく素質馬が能力を発揮しやすい条件ではあるものの、この時期の2歳牝馬にとっては中々厳しく底力も問われやすい。
1.タフな条件の経験が活きる
一昨年の勝ち馬
ラッキーライラックは東京マイルの
アルテミスSを制しており、16年の勝ち馬
ソウルスターリングは芝1800mで2勝、15年の勝ち馬
メジャーエンブレムはそれまでの3戦全てで直線に坂がある東京・中山コースを走っていた。
2.差しが届くレースだが
昨年の1〜3着馬の4角位置が順に16・17・10であるのを筆頭に、差しが優勢のレースであることは間違いない。しかし、前走の4角位置が10番手以下だった馬は過去10年で[0-4-0-27]と勝ち切れていない点は注意が必要だろう。
3.前傾ラップ
このレースは短い距離しか経験のない馬、短距離指向の馬も多く参戦することから、前半のペースが速くなりがちで、実際過去10年中7年は前傾ラップになっている。これまでスローからのヨーイドンという競馬しか経験していない馬にとっては難しいレースになるだろう。
クラヴァシュドールに注目したい。前走の
サウジアラビアRCでは最後の平坦部分で
サリオスに突き放されたが、坂を上る時の手応えはこちらの方が優勢で一旦は首を覗かせるシーンもあった。現状は平坦部分でのトップスピードより、登坂時の馬力の方が優れている馬なのではないか。残り200m地点から一気に上ってゴールを迎える阪神コースに替わっての前進に期待。