今週の番組で個人的に注目しているのは、12月15日の阪神芝2000m。このところ、芝中距離の番組は出走頭数が少ない上、少し小粒な印象を受けていたのだが、ここは面白いメンバーが集まりそう。
血統的に間違いなく注目されるのは
ヴァーダイト(栗東・
音無秀孝厩舎)。半兄
クリソベリルは先々週の
チャンピオンズCを勝って、無傷の6連勝。全姉
マリアライトは
エリザベス女王杯、
宝塚記念といったG1を制している。先週のCWでは3頭併せを最先着するなど、追い切りでの動きも目立ち始めた。鞍上は
川田将雅騎手が予定されている。
【12月14日(土) 阪神芝1600m】
◆
ヴェルサクルム(牡、
父キングカメハメハ、
母プランタンビジュー、栗東・
西園正都厩舎)
おばに
スプリンターズS、
高松宮記念を勝った
カレンチャン(
父クロフネ)がいる血統。母は
西園正都厩舎で管理され、ダートで2勝を挙げており、本馬が二番仔になる。
ゲート試験に合格した翌週の追い切りではさほど目立つ動きを見せなかったが、11月27日の坂路が目の覚めるような時計。4F52.1秒、1F12.3秒をマークした。翌週のCWではレースで騎乗予定の
幸英明騎手が跨って、すでに
朝日杯FSにも特別登録している
タガノビューティーに先着する動き。レースでもこの走りができれば、当然、初戦から楽しみ。
【12月14日(土) 阪神ダート1200m】
◆
ペルフォルマンテ(牡、
父ヘニーヒューズ、
母レゼトワール、栗東・安田隆行厩舎)
母系には
JRA在籍時に
マーチSを勝った
センチュリオン(
父キングカメハメハ)がいる血統で、母は現役時代に地方交流競走も含めて、ダートで3勝を挙げている。
ゲート試験に合格した後、成長を促す意味で一旦放牧へ出されているが、順調に坂路での追い切りを積んでいる。12月5日の坂路では4F52.6秒、1F12.4秒をマークしており、すでに新馬として水準以上の時計を出している。あとはレースでどんな走りを見せてくれるかだろう。鞍上は
福永祐一騎手が予定されている。
【12月15日(日) 阪神芝2000m】
◆
メラーキ(牡、
父ハーツクライ、
母レツィーナ、栗東・
友道康夫厩舎)
きょうだいはダートで5勝を挙げている
アシャカダイキ(父
スマートファルコン)やダートで3勝を挙げている
ハーベストムーン(
父マンハッタンカフェ)。そして、母自身も現役時代にダートで4勝を挙げている、完全なダート血統だが、本馬はちょっと雰囲気が違う。
12月4日にレースで騎乗予定のC.スミヨン騎手が跨って、CWでの併せ馬だったが、
フライライクバードを追いかけて同入。相手は追い切りで動くタイプだが、それに互角以上の動きだった。フットワークにはスピード感があるし、芝でやれるはずだ。
◆
ユウゲン(牡、父
ロードカナロア、
母モーニングフェイス、栗東・
橋口慎介厩舎)
半兄に
橋口慎介厩舎で管理され、ダートで4勝を挙げている
サザンブリーズ(
父エンパイアメーカー)がいるが「調教で芝コースを走らせた時はいいキャンターをしていました」と
橋口慎介調教師。
11月から追い切り時計を出し始めており、週を追うごとにその動きが良くなっている印象。12月4日のCWでは古馬2勝クラスに先行して、相手が迫ってきても最後まで追い抜かれることなくフィニッシュ。6F83.2秒もなかなかの時計で「本当に楽しみにしています」と同師の期待はかなり大きい。鞍上は
O.マーフィー騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)