「
香港マイル・香港G1」(8日、シャティン)
香港の地で日の丸が大きくはためいた。ヴァーズを
グローリーヴェイズが制すと、マイルは
アドマイヤマーズが完勝。カップは大将格の
ウインブライトが人気に応え、春秋香港G1制覇を成し遂げた。日本勢4戦3勝。世界のホースマンに、改めてその存在感をアピールした。
オーナーに捧げる勝利だ。日本の3歳馬
アドマイヤマーズが、中団から鋭く伸びて海外G1初制覇。3連覇を狙った地元の英雄
ビューティージェネレーションら古馬勢を力でねじ伏せ、栄光のゴールへ飛び込んだ。
その瞬間、思わず友道師は目頭を熱くした。先月17日、オーナーの近藤利一氏が77歳で死去。この日は生前、近藤氏が香港で観戦するために新調したスーツを着て戦況を見守った。「僕が代わりに着てきました。近藤さんと一緒にいるような感じで応援していました。いい報告ができる」。ともに表彰式に並んだ近藤旬子(じゅんこ)夫人も感慨深げ。「まさか勝てると思っていなかったので。故人も喜んでいると思います」と声を震わせた。
戦前に綿密に打ち合わせ、チームでつかんだ勝利。完璧な騎乗を見せたスミヨンは「うまくインサイドに入れられました。非常に良い走りをしてくれました」とセンスの良さを絶賛。次なる
ターゲットへ向けて、指揮官は「このレースで3歳馬が勝ったのは初めて。マーズは来年以降もまだ良くなる。世界のマイル王を目指したい」と宣言。生前に近藤氏が手に入れられなかった香港でタイトル奪取。孝行息子が再び世界へとはばたく。
提供:デイリースポーツ