いよいよ、2019年の
JRA開催も3日となった。年明けになると除外ラッシュというイメージがあるものの、阪神開催は現時点で平穏。6日目までの番組で除外が出たレースはひとつもない。
逆に中山開催は12レース中、7レースで除外が出ており、特にひどいのはダート1200m。12月15日の中山ダート1200mは19頭の除外だから、それだけで1レースが組める。年明けも中山開催ということを考えると、こちらは年明けの除外ラッシュは避けられそうにない。
【12月21日(土) 阪神芝1800m】
◆
アドマイヤベネラ(牡、
父ハーツクライ、
母ライフフォーセール、栗東・
友道康夫厩舎)
半姉に阪神JFを勝った
ダノンファンタジー(
父ディープインパクト)がいる良血。本馬も2018年セレクトセール1歳にて、2億3000万円で落札されており、その評価の高さを値段が示している。
ゲート試験に合格した後、一旦放牧へ出されて再入厩という形。ここまで栗東坂路とCWを併用して仕上げられているが、驚いたのは1週前追い切り。
レースで騎乗予定のC.スミヨン騎手が跨って、CWでの3頭併せだったが、その相手は
ラインベックと
ワールドプレミア。最後の直線は真ん中で手前を替えないながらも食い下がる動きを見せ、ゴール直前では
ワールドプレミアを差し返しそうな勢い。
6F81.6秒はもちろん、後半3Fが38.0秒、11.9秒というのも秀逸。あとは実戦でどんなレースを見せてくれるか楽しみに待ちたい。
◆
ミッキーラズベリー(牝、
父キングカメハメハ、
母ワイルドラズベリー、栗東・
音無秀孝厩舎)
2018年セレクトセール1歳にて、1億3500万円で落札されており、半兄に
霜月Sでオープン勝ちした
ミッキーワイルド(父
ロードカナロア)がいる。中京芝1400mの新馬戦を勝っているが、ダートに転戦した現在の方が勢いが凄い。なにせダートではまだ4着以下になったことがないのだから、今回は芝1800mという条件がポイントになりそう。
先週は坂路で
デルマカトリーナとの併せ馬だったが、途中までは手応え良かった相手に対して、馬体を寄せていくと、逆にこちらのスイッチが入った感じで手前が替わり、楽々と相手に先着した。4F52.5秒はもちろん速いが、1F12.6秒は最後緩めてのものだから、実際はもっとラップを踏むこともできただろう。
【12月21日(土) 阪神ダート1800m】
◆
ホウオウジョーカー(牡、父
ルーラーシップ、母
ソングバード、栗東・
安田翔伍厩舎)
半兄に芝で3勝、障害で2勝を挙げている
アグリッパーバイオ(
父チチカステナンゴ)がおり、本馬は2018年セレクトセール1歳にて、7200万円で落札されている。
夏場に入厩してゲート試験をパスした後は一旦放牧へ出されており、再入厩した形。「夏より馬は良くなっていますが、もう少し前向きさが出てくれば」と
安田翔伍調教師だったが、12月12日のCWではなかなかの動き。
レースで騎乗予定の
川田将雅騎手が跨っていたが、新馬との併せ馬でしっかりと先着した。ここまでの乗り込みも入念なだけに、初戦から注目してみたい。
【12月22日(日) 阪神芝1400m】
◆
カバジェーロ(牡、父
ロードカナロア、母ラベ、栗東・
橋口慎介厩舎)
母系には芝で4勝を挙げた
ジャストドゥイング(
父ゼンノロブロイ)がいる血統で、母は現役時代に橋口弘次郎厩舎で管理され、新馬、500万下と連勝している。母からは活躍馬が出ていないが「この馬は」と期待したくなる動きを見せている。
レースで騎乗予定の
北村友一騎手が跨った、12月11日のCWでの3頭併せ。最後方から追いかけていたが、内からきっちり前を交わして先着。時計は6F80.6秒と速く、スピードがあるところを見せた。
(取材・文:井内利彰)