今年、8年ぶりに日本での騎乗が実現したランフランコ・デットーリが来日直後、報道陣に話した言葉が妙に気になっていた。
「
有馬記念も、できれば乗りたい」
当初はただのリップサービスかと思っていたが、当の本人に改めて確かめてみたところ、これが違っていた。
「ぜひ乗りたいね。でも、いい馬がいないんだ。そういう馬の依頼があれば乗るよ」
実際、デットーリに近しい関係者も「本人に乗る気はあるし、騎乗する可能性もなくはない」と話していた。結局は実現しなかったものの、デットーリが「一流馬が揃う素晴らしいレース」と、暮れの
グランプリのことを“買っていた”のは確か。やはり
有馬記念は日本競馬が誇るべきビッグイ
ベントだと改めて感じた次第だ。
特に今年は
アーモンドアイの参戦を筆頭に、
ジャパンCよりはるかに面白みのあるメンバーが集結。まさにドリームレースの様相を呈している。
「今年はちょっと、すごいメンバーになりそうだよね。少し短めの距離で走っていた馬とかも含め、いろんな部門の馬が集まった感じ。昔の
有馬記念と似た感じかな」
そんなことを口にしたのは
スカーレットカラーで参戦する
高橋亮調教師。騎手時代に一度だけ参加した
有馬記念は、
マイルCSで2着に好走した余勢を駆って挑戦した1998年
ビッグサンデー(15着)。今年、調教師として初めて送り出す
スカーレットカラーも、お祭りとして参加するイメージ? いやいや、これが全然違うようなのだ。
「
エリザベス女王杯(7着)は、すごくショックだったんだよね。ちょっと手ぬるい調教をしたことで負けてしまったのではないかと…。馬には、もうひと踏ん張りしてもらうことにはなるんだけど、今度は悔いを残さないように、しっかり仕上げて臨みたいと思って。ここが俺らのキュウ舎にとってのリベンジになる」
プラス14キロで伸び切れなかった女王杯が力負けではないことは当時◎だった坂路野郎も思っていたこと。全くの人気薄だろうが、
高橋亮調教師の期する思いに触れ、こちらもメ
ガトン級の大穴期待の「リベンジ◎」をすでに決定している次第である。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ