有馬記念(GI・中山芝2500m)に向けて、
フィエールマン(牡4・美浦・
手塚貴久)が併せ馬で最終追い切りを消化した。追い切り後、今回初コンビとなる
池添謙一騎手と管理する手塚調教師の共同記者会見が行われた。
■池添騎手
(今朝の追い切りの感触は?)
「誘導する前の馬についていき、直線は少し伸ばしてほしいと言われていましたので、強めくらいの追い切りをしました。良い動きだったと思います」
(先週、今週と2週続けて追い切りに騎乗したが?)
「1週前の追い切りもすごく雰囲気が良かったですし、良い動きしてくれていたので、良い感触を持つことができました。今週は先週よりも気持ちがしっかり入っていて、道中も少し気合いが乗っている部分があったのですけど、その中でもしっかり我慢できていましたし、状態は良い形で来ていると思います」
(
有馬記念でこの馬に乗ると決まった時は?)
「GI2勝馬で良い馬を依頼頂いたと素直に思いましたし、嬉しい部分と感謝の部分とというところですね」
(
フィエールマンに対してどのようなイメージを?)
「何度も対戦しましたし、GI馬で強い馬だと見ていました」
(現段階で感じる
フィエールマンの強味や武器は?)
「乗っている部分と見ている部分とを合わせて、良い脚を使う馬だと思いますし、それが長く使える馬なのではないかと思います」
(中山の2500mについては)
「2500の中山はすごくト
リッキーで乗り難しいコースですが、
フィエールマン自身、中山でも走っていますし、コース自体は大丈夫だと思います」
(中山2500mの騎乗のポイントは?)
「まず最初にすぐコーナーがありますし、枠が1番大事になってくると思いますので、明日の枠順抽選会がポイントだと思います。レース自体は最初のコーナーでどこのポジションを取れるかだと思いますので、レース自体の1番目のポイントは最初のコーナーの入りだと思います。
あとは正面スタンド前は大歓声ですし、
リラックスして走れる馬もその歓声でかかったりすることがあるので、そこをしっかりリズム良く正面スタンドに入っていくこと。そしてレース展開や流れによって3、4コーナーの仕掛どころが大事になってくるので、その部分がポイントだと思います」
(あとは明日の枠順抽選会で運が味方してくれれば?)
「今日とりあえず最終追い切りが無事に終わって、あと明日がまた大きなポイントになると思います」
(希望の枠順は?)
「
フィエールマン自身、大きいトビというか完歩が大きくてきれいな走りをする馬なので、あまり内過ぎるのもどうかなとも思うのですが、真ん中から内くらいが理想だとは思います」
(去年の
ブラストワンピースに続いて連覇がかかるが?)
「自分の中であまり連覇という部分は考えていないのですが、大一番の
有馬記念ですし、ここを取れれば
フィエールマン自身にも
年度代表馬というのが出てくると思いますので、一緒にしっかり結果を出したいと思います」
(
グランプリ男の池添騎手のレース振りを楽しみにしているファンも多いと思うが、最後に意気込みを)
「
有馬記念はジョッキーにとって毎年乗っていたいレースですし、僕自身も毎年乗りたいレースだと思っている中で、
フィエールマンという良い馬に騎乗依頼を頂いたので、しっかり結果を出したいと思っています」
■手塚調教師
(今朝の追い切りの狙いは?)
「併せ馬でしっかりやりたいということで、最後はしっかり追ってもらって良い内容だったと思っています」
(動きは?)
「入厩してから順調には来ていたのですが、今までとは違う余裕が体に少しあるような感じに見えましたので、2週続けてしっかり追いたいと先週あたりから思っていました。今週もその通りにやれたなというところですね」
(トレセンに帰厩してからの馬の雰囲気は?)
「
凱旋門賞は本当に残念な結果でした。あれだけタフな競馬場で競馬をしたのも初めてでしたし、世界の一流の馬たちが多く、相手が強いという印象でした。幸い精神的なダメージはなかったですし、ノーザン
ファーム天栄でしっかりケアをしてもらって、美浦に戻ってからは至極順調に来たと思っています」
(3歳時は体質的弱さがあったようだが、古馬になってからの馬の変化は?)
「春の天皇賞まではやはり1走ごとにダメージが大きかったのですが、
札幌記念を使わせてもらった時もそうなのですけど、夏を境に使った後の疲労の回復が早くなったような気がしますね。その辺では体幹などがしっかりしてきたのかなという印象を受けています」
(中山2500mという舞台について)
「ト
リッキーですよね。中山自体がそういったレース形態の競馬場なので、良い勝負をするためにはいろいろな条件が噛み合わないと難しいとは思っています」
(
有馬記念の勝ち方を知っている池添騎手とのコンビについて)
「ジョッキーは頼りになると思っています」
(手塚厩舎にとって
有馬記念は初出走になるが)
「調教師になって23年になりますが、ようやく初めて
グランプリに出させてもらいます。調教師になった時からの夢だった
有馬記念に有力馬で出走できるということは本当に調教師冥利に尽きますし、このチャンスを何とか生かしたいです。
グランプリ出走の常連厩舎になりたいと思っています」
(楽しみにしているファンに向けてメッセージを)
「今年はファン投票の上位の馬がものすごくたくさんレースに出るということで、本当の意味での
グランプリだと思っています。
フィエールマンもその中の1頭ですし、チャンスもあると思っています。しっかり仕上げたつもりなので応援していただければ幸いです」
(取材・文:佐々木祥恵)