全米を揺るがす快挙だ。第49回エクリプス賞の授賞式が日本時間24日、フロリダ州
マイアミのガルフ
ストリームパーク・レーシング&カジノで行われ、北米で活躍する
木村和士騎手(20)が最優秀見習騎手部門を受賞。日本人初となる栄冠を手にした。JRA競馬学校を中退し、カナダでステッキを振るう異色のジョッキー。大きな勲章を胸に、今後はさらに活躍の場を広げていく。
異色の若き日本人ジョッキーが、史上初の快挙を成し遂げた。「カズシ・キムラ!」。栄えあるエクリプス賞授賞式。大きな拍手に迎えられて壇上に上がると、木村はトロフィーを手に緊張した面持ちで「この
サクセスストーリーをサポートしてくれた全ての人に感謝したい」と相好を崩した。
競馬を知る人なら誰もが驚く偉業。「この賞は今年1回限りのチャンス。狙っていたのでうれしい。日本人で初めてというのが光栄なこと。日本のダービージョッキーと同じぐらい、箔(はく)のある賞だと思っています」と声を弾ませた。
北海道の浦河町出身。15年4月にJRA競馬学校騎手課程34期生として入学したが、卒業間近の17年秋に自主退学した。「小さい頃からジョッキーになることしか考えていなかった」と海を渡る決断に迷いはなかった。
カナダ最高レベルのウッドバイン競馬場で調教に騎乗する姿が関係者の目に留まり、18年5月28日に北米デビュー。104勝を挙げた18年はカナダ競馬の年度表彰「
ソヴリン賞」の最優秀見習騎手賞に輝いた。19年は日本人として初めてエリザベス女王所有馬に騎乗するなど、カナダリーディング3位となる148勝(騎乗数863鞍はトップ)を挙げている。
「次はカナダでリーディングを獲りたい。オフシーズンはドバイや香港でも経験を積みたいと思っています。世界中を駆け回りたい。この賞でスタートに立ったと思っています。これからが勝負ですね」。日本人ジョッキーが全米の頂点へ-。夢に向けて、大きな一歩を踏み出した。
提供:デイリースポーツ