騎手時代にJRA通算1515勝を挙げ、“剛腕”の異名で一時代を築いた郷原洋行氏が、1月31日に亡くなっていたことが8日に分かった。鹿児島県出身、享年76。通夜、告別式は既に近親者のみで執り行われた。
郷原さんは62年3月に中山競馬場の大久保房松厩舎から騎手としてデビュー。67年には
リユウズキで
皐月賞を制し、クラシック初制覇を果たすなど79勝をマークして、早くも関東リーディングを奪取した。毎年のように加賀武見騎手と激しいリーディング争いを繰り広げ、関東では長らく“加賀・郷原時代”が続いた。
プレストウコウで77年
菊花賞、そして
オペックホースで80年
日本ダービーを勝ち、牡馬クラシック三冠制覇を達成。さらに郷原さんの名声を高めたのが、
ニッポーテイオーとの名コンビだった。87年
天皇賞・秋では、断然の1番人気に応えて5馬身差で逃げ切り勝ち。圧倒的なスピードを武器に同年マイルCS、88年
安田記念も制してG13勝。数々の名勝負でファンを沸かせた。
89年には
ウィナーズサークルで2度目のダービー制覇。平成初のダービー馬は、いまだにただ一頭の芦毛のダービー馬として競馬史に名を残している。また、88年からは日本騎手クラブの会長を5年間務めた。
93年に騎手を引退し、調教師に転身。00、01年
中山グランドジャンプを連覇した
ゴーカイを輩出し、JRA通算104勝を挙げた。11年2月に定年まで3年を残して勇退。14年に競馬の殿堂入りしている。
提供:デイリースポーツ