ミカエル・ミシェル騎手が初めての船橋競馬開催初日の騎乗を終えたところに、船橋競馬で女性騎手として活躍した椎名(旧姓稲川)由紀子氏が立ち寄り、初対面が実現した。
椎名氏がスマホで過去のレース写真を見せると、ミシェル騎手は“とても新しい
スタイルの騎乗姿勢。アメリカン・
スタイルですね!”と大先輩との邂逅に笑顔。
椎名氏に、ミシェル騎手についての印象を語っていただいた。
「ダート競馬の経験が少ないとは聞いていましたが、ここまでの2開催(川崎、大井)を見ていて、やはり少し(ダート競馬に対する)技術が足りない部分もあるなと感じていました。でも、今日(10日)の船橋の騎乗などを見ると、日々の反省と復習があるようで、少しずつ修正してきているように感じます。
船橋というのは、騎手にとっては乗りやすい癖のない競馬場だとは思いますが、彼女の良さも段々に出てきているのかなと思います。すごくこれから楽しみです。
ガッツがあって、絶対に諦めないというのがありますね。女性騎手招待(1989年-1993年開催の「インターナショ
ナルクイーンジョッキーシリーズ」)で海外の女の子たちと一緒に乗った時も、遠慮のない、勝ちたいという気持ちでバリバリ来るのが本当に楽しかったんです。彼女を見てそういうのを思い出して、いいなと思いました。
いい時代になりましたね。日本の女の子たちも刺激を受けて頑張ってくれるでしょうし。ミカエル自身は色々大変でしょうけど、今やっていることはこれから先にも絶対に生きてくることだから、楽しんで、頑張って欲しいと思います」
椎名由紀子氏は、1980年代後半に船橋競馬に所属して活躍した女性騎手。1991年の年末で5年9か月の現役生活から引退。現在は
船橋競馬場の
椎名広明調教師の夫人で、同厩舎の厩務員として担当馬の世話だけでなく厩舎全体を見る役割を担っている。通算成績は898戦76勝。
当時船橋には全盛期の
石崎隆之氏、桑島孝春氏がおり、また川崎の佐々木竹見氏、大井の高橋三郎氏などが参戦する中でのもの。一見可愛らしい容姿に見合わない、豪快な追いっぷりと負けん気の強さには定評があった。
(取材:高橋正和、編集:netkeiba)