JRA勢5頭の中では実績的に抜けた馬こそいないもののオープン以上の勝ち星があり、いずれも単勝一桁台。その5頭が序盤からひとかたまりになっての勝負となった。
積極的にハナを取りにいこうという馬はなく、スタート後の直線では3頭が互いの出方をうかがうような感じだったが、枠順からやはり内の
ラインカリーナが先頭に立つ形となった。
ナムラカメタローが直後でぴたりとマークしたためにそれほどペースが緩むこともなく、地元佐賀勢で期待された2頭も含め、どの馬も存分に能力を発揮できる展開だった。
3コーナー過ぎ、
ラインカリーナの内から
ロードゴラッソが、外から
ナムラカメタローが勝負に行って、
ラインカリーナは4コーナーで脱落。直線は人気2頭の一騎打ちとなり、
ナムラカメタローが
ロードゴラッソを振り切った。その差1/2馬身は、枠順と道中の位置取りにあったように思われる。
外枠の
ナムラカメタローは、
ラインカリーナのすぐ外、半馬身ほどの差でぴたりとマークし、いつでも動ける位置。対して3番枠だった
ロードゴラッソは
ラインカリーナの直後で、斜め前には
ナムラカメタロー、併走するように外には
テルペリオン、さらに斜め後ろには
ノーヴァレンダ。1番人気だからというわけでもないだろうが、完全に包囲されてしまった。
ご存知のとおり佐賀コースはラチ沿い2、3頭分ほどの砂が重く、しかもこの日はパサパサに乾いた馬場。
ロードゴラッソは勝負どころでも外に持ち出せるようなタイミングはなく、そのまま
ラインカリーナの内から勝負に行かざるをえなかった。それゆえ、少なからず砂の重いところを通らざるをえなかったということはあっただろう。直線では
ナムラカメタローにぴたりと馬体を併せての追い比べとなったが、そもそも4コーナーあたりでの手応えからして勝負あったという感じだった。
それにしても
石川裕紀人騎手は、
佐賀競馬場はこの日が初めての騎乗だったそうだが、外枠から好位キープという最高の騎乗で、連勝中の勢いそのまま、
ナムラカメタローの能力を存分に発揮させた。
ノーヴァレンダは
ロードゴラッソの直後でペースが上がった勝負どころで食らいついていったが、直線伸びる脚はなく2着
ロードゴラッソから3馬身差。今回は緩みのない流れで脚を使わされてしまった。2歳時の勢いがすっかり影を潜めてしまったが、地方の小回りコースでスローの好位付けなら、相手次第ではチャンスがあるのではないか。
ラインカリーナは、直後で
ナムラカメタローにぴたりとマークされる展開はいかにも厳しかった。加えて、JpnII(
関東オークス)勝ちゆえ、1、3着馬と同じ55kgという斤量も恵まれなかった。
テルペリオンは予想でも書いたが、中央でのオープン2勝の勝ち方を思うと、
フリオーソ産駒のわりに地方では直線追い比べとなっての勝負強さに欠ける。どちらかというと力を発揮するのはダートでも中央の競馬場なのではないか。もともと馬体重の振れ幅が大きいが、今回は3カ月半ぶりの実戦で輸送があっての大幅増ということでは、その影響はあったかもしれない。
地元佐賀の期待馬2頭は、中央5頭一団の馬群からやや離れた位置を進み、向正面でペースアップする前に
グレイトパールが直後に取りついたものの、そこまで。57kgという斤量もあったが、
JRA勢には1頭も先着できず。
九州大賞典や
東海菊花賞のように地方同士なら強い競馬をすることもあるが、昨年の
佐賀記念でもペースアップした向正面でついていけなかったように、現状、中央の重賞級が相手のペースではちょっと厳しい。