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モズアスコットを管理する
矢作芳人調教師
――前走の
根岸Sを振り返ってください。
矢作 力が違ったとしか言いようがないですね。結構、出遅れたので長くいい脚を使っているのかなと思っています。
――前走、初めてダート重賞に出走した経緯は?
矢作 大きく言って3点あります。1点目は普段の調教の動きや足さばきからダートが向くのではないかと以前から考えていたということ。2点目は血統ですね。ダートは間違いなくいくだろう、と。3点目は血統に関連するのですが、馬が成長して体が
パワー型に変わってきたのかなと思っていたので。どちらかというと、満を持してのダート出走でした。
――芝のGIホースをダートに出走させるのは勇気のある決断かと思いますが、そのあたりは?
矢作 うまくいきすぎかもしれませんね。自分の見立てが間違っていなくてよかったな、と思います。
――改めて、前走の結果を受けての収穫は?
矢作 そうですね。自信があるとは言っていても、やはり結果をみてみないと、というところはありましたので。いうことのない結果だったのではないでしょうか。馬の状態が大丈夫であれば、すぐに
フェブラリーSということを前走後に決めました。
――勝利は久しぶりでしたが、そのあたりは?
矢作
モズアスコットという馬は連闘でGIを勝ってくれるし、ダートは克服してくれるし、ひじょうに喜びをもたらしてくれる馬でとても感謝しています。
――これまで管理してきた馬の中で、違う、という感じはしますか?
矢作 まぁ、面白いキャラクターですよね。
――
根岸Sから中2週。この中間の調整過程は?
矢作 レース後の1週間は疲れをとることに専念しました。やはり、どうしてもあちこちガタがきやすい馬なので、そのケアを十分しました。先週の金曜日に1週前追い切り、そして、今日(が本追い切り)という。順調には過ごせてきたと思います。
――先週の坂路での追い切りは時計が52.1。先週の時点での出来具合は?
矢作 疲れはとれて、ここから上がってくるかな、というかんじでした。
――では、今朝の追い切りはいかがでしたか?
矢作 リードホースが54秒くらいの予定で、(
モズアスコットは)52秒くらいで、ということで。あとは乗った感じでクリストフに任せる、ということでした。気持ち時計が速くなりましたが、見るからに前走時の追い切りより反応は良かったと思います。今日のところは、今のところ全く問題ないです。ただ、この馬は追い切りが終わったからといって安心できるタイプではないので。このあとレースまで細心の注意を払っていい状態にもっていきたいと思っています。
――ダートでのマイル戦ですが、このあたりは?
矢作 今回は芝スタートにもなりますし、コースや距離については何も心配していません。
――昨年の暮れは
リスグラシュー、
コントレイルでGIを勝ち、現在
JRA実施GIでは2連勝ですが好調の秘訣は?
矢作 僕があまり余計なことを言わないことじゃないですか(笑)。任せるからには全面的に任せる、という主義をとっております。(コミュニケーションについては)風通りはいい厩舎だと自負しています。
――このあとはどのようなことを厩舎内で話し合って調整をしますか?
矢作 このあと、あれだけの追い切りをしたらある程度はダメージが残りますので、レースまでにどれだけ回復させて超回復の状態でレースに臨めるか、という点を話し合うと思います。
――最後に抱負を
矢作 力を出し切れば必ずいいレースをしてくれると思います。今後に向けて楽しみになるレースを期待しています。皆さん、馬券をいっぱい買って応援してください。よろしくお願いします。
(取材・文:花岡貴子)