「サウジC」(29日、キングアブドゥルアジーズ)
29日にサウジアラビアで行われた新設の国際交流諸競走。1着賞金が約11億円というメインのサウジCに挑戦した
クリソベリル(牡4歳、栗東・音無)と
ゴールドドリーム(牡7歳、栗東・平田)は、世界の分厚い壁に阻まれ、7、6着に終わった。一方、サンバサウジダービーCに臨んだ
フルフラット(牡3歳、栗東・森)は見事にVを射止め、海外初勝利を飾った。
米国トップホースの牙城は想像以上に高かった。日本から参戦した
ゴールドドリームと
クリソベリルは6、7着に終わった。
2頭とも発馬の後手が痛恨。最内枠の
ゴールドドリームは、前をカットされ後方からの競馬に。ルメールは腹をくくって脚をため、直線は優勝候補の一角
ベンバトルに果敢に追い比べを挑んだ。
結果は6着も陣営は納得の表情だ。ルメールは「残念ながら最後の150メートルで脚が上がっちゃったけど、すごくいい競馬ができた。米国馬は本当に強い。でも、ドバイには出てこないかも。だからドバイワールドCはもっといい結果が出せると思う」と前向きだ。平田師も「ドバイに向けていい経験になった。ほぼ世界最強のそろった中での6着。価値がある」と胸を張った。
一方、終始中団の外めを走らされた
クリソベリルは、なし崩しに脚を使わされ、ラストで伸びあぐねた。音無師は「装鞍所、下見所から、非常によく見えた。気合が乗っていいかと思ったけど、
テンションが急に上がって…。ジョッキーは首を横に向けたときに開いたと言っていた。道中、寄られてぶつけちゃったのもあったね」と悔しそうだ。
馬体重が20キロ減り、調整も難しかった初の海外遠征。ただ、次走のドバイに関しては、輸送のリスクがグンと軽くなる。師は「ジョッキーも、走るのは分かりましたと言ってくれた。ドバイで巻き返したい」と意気込む。無敗の進撃は止まったが、このまま終わらせる気など毛頭ない。
提供:デイリースポーツ