先週の
阪急杯を
ベストアクターで制した
鹿戸雄一調教師(57)=美浦=が、不思議な“縁”を口にする。「お客さんがいないレースを勝ったと師匠に自慢されたのですが、そういう時代もあったんだな、と。まさか私も無観客の重賞を勝つことになるとは」。戦時中の1944年ダービー(当時は能力検定競走)も無観客で行われ、勝ったのはカイソウ。同馬を管理していた久保田金造元調教師(故人)の最後の弟子が鹿戸師だった。
“師弟”で無観客重賞を制したのも何かの巡り合わせか-。「表彰式もないし、寂しいよね。それだけ普段からファンが応援してくれていたのを感じた」と指揮官は通常開催に戻ることを願いつつ、
弥生賞の
ウインカーネリアンに期待を膨らませている。
4日の最終追い切りを終え、「減った馬体を戻しながらだった前走時より今回の方がずっと順調。調子は上がっているよ」と手応え。“無観客重賞”2週連続Vへ、今週も鹿戸厩舎が存在感を示す。(デイリースポーツ・刀根善郎)
提供:デイリースポーツ