3月11日(水)
ダイオライト記念(JpnII)が
船橋競馬場で20:05発走となります。これまでに2度このレースを制した
内田博幸騎手に
ダイオライト記念優勝時の思い出や、
船橋競馬場のコースの特徴について語っていただきました。
――3月11日に
ダイオライト記念が行われますが、内田さんは2006年に
ヴァーミリアン、2010年に
フサイチセブンでこのレースを制しています。
ヴァーミリアンには
ピンポイントでの騎乗でしたが、レース前はこの馬にはどのような印象を持っていましたか?
内田 器用な競馬をしている馬だという印象でした。
――前めの位置取りでの競馬になりましたね。
内田 ダートの場合、後方からの競馬よりも、できれば先行した方が馬は楽なんですよね。この馬は先ほども言ったように器用な印象もありましたので、先行して余力を残して直線に入りたいと考えていました。
――直線では2着の
パーソナルラッシュを6馬身突き放しての圧勝でした。
内田 はい、思っていた通り強かったです。
――思い描いた通りの競馬でしたか?
内田 はい、サッと先行できました。自分の馬より前にいる馬を見ながら、後ろからはどのくらい来るのかという感じで乗っていましたが、本当に素直ですごく乗りやすかったです。
――一方、
フサイチセブンは3連勝でオープンに昇級して、
アルデバランS2着を挟んでの
ダイオライト記念出走になりました。レース前はこの馬にはどのような印象をお持ちでしたか?
内田 良い内容の勝ち方をしているという印象がありましたし、レースでこの馬の能力をどれだけ引き出せるかがポイントだと考えていました。
――
フリオーソが逃げて、2番手からの競馬になりました。
内田 逃げる馬がだいたいわかっていましたし、それを目標にしてこの馬のリズムで走らせました。
――この時も思惑通りの競馬ができましたか?
内田 そうですね。無理に位置を取りに行ったり、速いペースで行ったりすれば馬に負担がかかりますし、レースも苦しくなります。いかに馬の脚質や適性に合わせた乗り方をするかだと考えていました。どのレースでもそうでしょうけど、ダートだからこそ楽な競馬をさせたいですし、4コーナーまでその馬の能力を温存できれば1番ベストです。
ヴァーミリアンと
フサイチセブンは、それができたレースでした。
――
船橋競馬場は差し馬に有利と言われるスパイラルカーブもありますが、コースの特徴を教えてください?
内田 小回りですけど乗りやすいですし、差しも追い込みもききやすい馬場でもあるので、楽しめるコースだと思います。ただこの
ダイオライト記念では、勝てなくても(前に行った馬が)残ってますからね。内々に包まれてしまうと苦しくなってしまいますし、いつでも動けるような前めのポジションが良いのではないかと思います。最近は早めにまくり気味に行く馬もいて、淡々と流れないこともありますね。
――
船橋競馬場の2400mのレースは
ダイオライト記念だけになりますが、このレースの特徴はありますか?
内田 やはり最初の位置取りが1番の鍵になると思います。後方一気というのはよほどペースが上がるか、よほど能力が抜けていない限り難しいので、先行が有利だと思います。それも無理な先行ではなく楽に行けるに越したことはありません。ダート戦ですし、その方が馬にも負担がかかりませんからね。いかに負担のかからないレースをさせるかというのを心がけて乗っています。
――距離が長くてもやはり前めのポジションが有利なのですか?
内田 ペースが乱れれば別ですけど、小回りというのもありますからね。
――そして自分のリズムで?。
内田 はい、途中から前に来る馬がいれば行かせて、相手に惑わされず自分の競馬ができればと思います。後方から競馬をする馬の場合は、ものすごく長い脚を使える馬ではないと厳しいでしょう。
――枠順の有利不利は?
内田 馬によりけりですけど、真ん中くらいが良いと思います。
――
ヴァーミリアンの時は内田さんは地方所属で、
フサイチセブンの時は中央に移籍していました。この2つのレースは、気持ちの上で違いはありましたか?
内田 あまり違いは感じませんでしたね。ただ中距離や長距離のレースで勝つのは、ジョッキーの腕だとよく言われるので、2400mの
ダイオライト記念では結果を出したいと思って乗っていました。ですから、この2頭で優勝できたのはとても嬉しかったですね。
(取材・文=佐々木祥恵)
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