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【ファルコンS】ビアンフェ これからの日本競馬を支えるキズナの力でV決める/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2020年03月11日(水) 18時00分
 昨年の新種牡馬チャンピオンに輝いたキズナといえば、仕上がりの早さに加え、芝、ダート両方で重賞を勝つマルチな才能を発揮。そして今年はさらにランクアップ。芝2000メートルのGIII京成杯クリスタルブラックが、同距離のリステッド・若駒Sケヴィンが勝つなど、中距離戦にも強さを発揮し始めている。

キズナがこれから日本競馬を代表する種牡馬になっていくのは間違いないでしょう。ディープインパクトに栗毛の産駒がいなかったように、キズナ産駒にも栗毛がいない。お父さんの遺伝子を強く受け継いでいる証しなのでは」と話すのは松永幹調教師だ。

 母系の血も影響する事柄だが、ディープと同じようにキズナも「ホモ鹿毛」(=栗毛の産駒が生まれない)であるのなら、確かに父の特長を色濃く伝える種牡馬と言えるのかも。

 一方で「お父さんの良さも出すけど、お母さんのいい面も引き出すのがキズナなんだ」と補足解説を加えるのは、現役時代にキズナを管理していた佐々木調教師。

「お母さんがダートの短距離なら、その子もダートの短距離。芝の中距離で走った母なら、その子も芝の長め。そういう馬が多いんだよね。キズナ産駒の競馬を全部見ている自分が言うんだから間違いないよ」

 ディープと母の良さをバランス良く受け継ぐのがキズナ産駒だとすれば、やはりこれからの日本競馬を背負うサイアーになり得る。

「藤沢(和調教師)さんが言っていたよ。“1年目からこれだけ勝つのはすごい”って。様子見が多い初年度産駒がこれだけ走れば、今後はもっといい繁殖牝馬がつく。これからの日本競馬はキズナだよ」

 前置きが長くなったが、本題はここから。GIIIファルコンS(14日=中京芝1400メートル)に出走するビアンフェも、母の特長がよく出たキズナ産駒だ。

「もともと大きな馬でしたが、この中間はさらにトモに肉がついた感じ。10キロぐらい大きくなって迫力がありますよ。お姉ちゃんのブランボヌールと違って、お母さんによく似ているんです。ルシュクルも大きな馬でしたからね」

 こう話すのは柴田助手。ビルドアップされた馬体に大いに手応えを感じている。

「スピードがピカイチなのはこれまでの競馬でも再三、見せていますからね。舞台はレコードの2着に好走した京王杯(2歳S)と同じ左回りの1400メートル。今の状態の良さからも楽しみです」

 母ルシュクルが0秒1差3着(09年)に惜しくも敗れたレースで、産駒のビアンフェが雪辱を果たすことを期待したい。

(栗東の坂路野郎・高岡功)

東京スポーツ

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