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【フィリーズレビュー】気性難アヌラーダプラ 皇成でこそ真価発揮/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2020年03月11日(水) 18時00分
 2歳女王レシステンシアが断然の支持を集めたチューリップ賞(7日)は、阪神JFで女王に“ちぎられた”2着馬マルターズディオサの逆襲V。牝馬クラシック戦線は一気に混戦ムードが立ち込めてきた。チューリップ賞を迎える前までは、それ以外の桜花賞トライアルとはレベル差が歴然としたものに見えたが、2歳女王のまさかの敗戦で、今後のTRが本番に絡む余地が大いに生じた気がしてならない。

 それだけにフィリーズRの注目度も一気に上昇。ここでの内容次第では桜に手が届く馬が新たに出現しても何ら不思議はない。フェアリーSで1番人気を裏切る6着に終わったアヌラーダプラにも、その資格はまだ残されているだろう。

 そのフェアリーSの臨戦過程をいま一度振り返ってみると、レース前週にデビュー2連勝の手綱を取ってきた三浦が落馬負傷。急きょの乗り替わりとなり、最終追い切りは当初、騎乗予定だった津村を背に追われたが、ルメールで出馬投票したオーロラフラッシュが除外。結果として(いわゆる騎手のAB投票)ルメールが初コンタクトで騎乗する運びに。中団から伸びあぐねたそのレース内容は、折り合いに慎重にならざるを得ず、手探り感が拭えなかった。

 今回は“主戦”の三浦が戻ってくる。当人は1週前追い切り後の感触をこう伝えた。

「デビュー前から、ずっと調教でも乗せてもらってきた馬。前走は見ているだけだったけど、関係者と何から何まで洗いざらいにして、今回にプラスになるよう調教をしてきました。とにかくスピードがあり過ぎて、コントロールが難しい面があるんです」

 テン乗りで力を出し切ることがいかに難しいかは察しがつく。

「でも直線まで力をため込めた時の最後の爆発力は素晴らしいものがあります。前走でああなった(=気性の難しさが出た)のも彼女の持ち味。敗戦をいいほうに捉えて、今後につなげたいですね。可能性? かなりのものですよ」

 もろ刃の剣とも言えるアヌラーダプラの危うい気性を考慮すれば、1400メートルへの距離短縮でレースはしやすくなる。ただし、同じ結果を出すにしても“目先の1勝”になってしまうのか、それとも先へつながる勝ち方ができるのか。この違いは大きい。いずれにせよアヌラーダプラにとって、大事な一戦になることだけは間違いない。

(立川敬太)

東京スポーツ

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