「
高松宮記念・G1」(29日、中京)
前走でオープン初勝利と格下感は否めない
シヴァージだが、今週末の中京は雨予報。道悪決戦になれば、一気に侮れない存在になる。19年暮れまでダートを主戦場にしていた
パワータイプで、前走も重馬場を全く苦にせず豪快に伸びた。1週前追い切りで栗東坂路の自己ベストをマークと、大一番を前に状態もうなぎ上り。一発を狙える下地は整っている。
これまで重賞挑戦は阪神C(7着)の一度のみ。実績面では明らかに見劣る
シヴァージだが、侮れない一つの大きな魅力がある。それが道悪巧者。現状、今週末の中京は雨が避けられない予報と、風向きは良好だ。
「金曜(27日)から降るみたいですね。時計がかかる方がいいので、降ってほしい」と小林助手は傘マークを歓迎する。デビューから13戦目までダート路線を歩んでおり、
パワー勝負には自信を持っている。
実際に前走の
北九州短距離Sでは重馬場を苦にせず、ゴール前で豪快に伸びた。持ち時計を比較しても、スペシャリスト相手の時計勝負で分が悪いのは明らか。高速馬場を避けたかった陣営にとっては、まさに恵みの雨と言えるだろう。
状態の良さも見逃せない。栗東坂路での1週前追い切りで4F50秒9の猛時計。自己ベストを更新する数字をたたき出した。「今は充実していますね」と同助手は目を細める。
脚元の関係でダートに専念していたが、いつかは芝へ-というのは陣営の既定路線だった。体質が強化された昨年暮れから芝転向。前走でオープン特別Vと結果も残し、勢いに乗って初G1に挑む。
「芝でのレースぶりが変わってきたし、相手なりに走れるタイプ。一生懸命走ってくれるので、期待したいですね」。道悪を援軍にして、一気の天下獲りへ-。雨の桶狭間で、特大の下克上を起こす。
提供:デイリースポーツ