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【勝負の分かれ目 高松宮記念】他馬の避ける内を果敢に進み、松若騎手とモズスーパーフレアがGI初制覇

  • 2020年03月29日(日) 18時30分
 戦後初の無観客GIとなった第50回高松宮記念は、午前までの降雨のため重馬場で行われた。

「逃げ宣言」をしていた、松若風馬モズスーパーフレアがハナに立った。2番手に3馬身ほどの差をつけ、単騎で快調に飛ばす。

 2番手から後ろは比較的かたまり、最後方のアイラブテーラーだけがポツンと離される展開になった。

 抜群の手応えで、モズスーパーフレアが先頭のまま直線へ。内埒から馬1頭ぶんほど離れたところをそのまま進む。ラスト400mを切ってもまだ手応えには余裕がある。ラスト300mを切ったあたりで初めて松若の右ステッキが入った。

 背後から北村友一ダイアトニックと、和田竜二クリノガウディーが迫ってくる。勢いは外のクリノガウディーが一番だ。

 クリノガウディーが一気に抜き去るかに見えた。が、同馬は内に斜行し、ダイアトニックを内に押し込むようにして走行を妨害。そのあおり受けた最内のモズスーパーフレアもフットワークを乱した。

 ダイアトニックは、鞍上の北村が立ち上がって手綱を引くほどの大きな不利を受けた。そして、内のモズスーパーフレアのトモを弾くような格好になったわけだが、もう少し前後左右の位置がずれていたら、前脚をさらわれて転倒しかねない、危険な局面だった。

 加害馬となったクリノガウディー自身も、手綱の操作で進路を修正して3完歩ほど追えなくなるロスがあった。

 その間に、ラスト400mを切ってから外に持ち出された池添謙一グランアレグリアが凄まじい脚で伸びてきた。グランアレグリアが内で叩き合う3頭に追いつき、かわしかけたところがゴールだった。

 1位入線はクリノガウディー。2位モズスーパーフレア、3位グランアレグリア、4位ダイアトニックの順だった。着差は鼻+鼻+頭という大接戦であった。

 クリノガウディーが、モズスーパーフレアダイアトニックの走行を妨害したことに関して審議が行われた。その結果、走行妨害がなければ、被害馬は加害馬に先着できたとして、クリノガウディーが4着に降着。モズスーパーフレアが繰り上がって1着となった。

 他馬が避けた最内を迷わず進んだ松若の判断も素晴らしかったが、それに応えて伸び切ったモズスーパーフレアが強かった。同じように、迷いのない戦術を取った池添も、グランアレグリアの力を引き出した。

 モズスーパーフレアにとっても、デビュー7年目、24歳の松若にとっても、これが嬉しいGI初制覇となった。

(文:島田明宏)

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