フランスから来日した“美し過ぎる騎手”
ミカエル・ミシェル(24)=川崎・山崎裕=の
地方競馬騎手短期免許が31日で失効する。1月27日に南関東競馬の川崎で地方デビューを果たしてから約2カ月。30日までに全国各地で260戦して29勝の成績を収めた。今回の挑戦でミシェルは、JRA騎手通年免許を取得する目標の実現に、どこまで近づいたのか。
ミシェルが日本での目標を公言したのは、2019年11月24日。「将来はJRAの通年免許を取得したい。2年ぐらいあれば準備は整うと思います」。
ジャパンカップの観戦で2回目の来日時に明かした。「日本に恋しました」の発言で鮮烈な日本デビューを飾った、8月の
ワールドオールスタージョッキーズ(JRA札幌)から約3カ月後だった。
既に昨秋から日本語の学習に取り組み、今年10月の受験を目指す。「ルメールと同じ家庭教師について学んでいる」と本気度をアピール。
地方競馬の短期免許を取得した目的の一つも、「私の日本語の上達を待っていられないので、まずは日本の
地方競馬の環境に慣れて、いろいろなことを学ぶため」と説明する。
JRAは外国人騎手に短期と通年の2種類の免許を用意する。
短期免許の対象者はJRAが選抜し、高いレベルの実績が求められる。(1)所属国でのリーディング上位者(2)
凱旋門賞をはじめ英ダービー、ブ
リーダーズCなど指定外国競走で2勝以上(3)JRAのG1で2勝以上-という基準の一つを満たしていることが条件。そんな実績が皆無のミシェルでは、選考対象にも挙がらない。
一方で、通年免許の受験は世界に広く門戸が開かれている。JRAが試験要項に明記する受験資格は、「外国の競馬統括機関の騎手免許を受けている者」の一点のみ。ただし、試験内容は日本の受験者と同じだ。1次の筆記試験は英語でも受験できるが、2次の口頭試験は全て日本語で行われる。合格するには、日本語を流ちょうに使いこなす能力が必要。だから、ミシェルは日本語の習得に励む。
これまで、世界中から数多くの猛者が通年免許を求めて受験したが、合格したのは15年のC・ルメールとM・デムーロの2人。その事実が試験の難関さを物語っている。
提供:デイリースポーツ