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大阪杯・G1」(5日、阪神)
念願のG1獲りへ機は熟した。
ダノンキングリーが1日、弾むようなフットワークで最終リハを完了。終始馬なりながらも、抜群の伸び脚で出走態勢を整えた。また栗東では牝馬の
クロノジェネシスが併せ馬で迫力満点にパートナーを圧倒。2度目のG1タイトル奪取へ、文句なしの仕上げを施されている。
美浦Wの向正面を、漆黒の馬体が軽快に進んで行く。首をグッと下げ、気合満点に3コーナーを回った
ダノンキングリー。直線に向いても鞍上の手綱はピクリとも動かない。馬場の五分どころを余力十分に駆け抜け、5F65秒1-37秒1-12秒5でフィニッシュした。
動きを見つめた萩原師は「前半、少し行きたがっていたが、元気がいいと判断している。時計は内を回っているので予定より速くなったが、動きとしては良かった」と合格点を与えた。
今季初戦、前哨戦の
中山記念は3番手から楽々と抜け出し、G1馬5頭を撃破。1番人気に応えた。「ジョッキーが非常にうまく乗ってくれた。恵まれた形にはなったけど、先行馬に取りつく脚が速かった」と振り返る。
ここまでのG1挑戦は、勝ち馬と同タイムだった
皐月賞3着とダービー2着、そして0秒4差5着のマイルCS。いつ
ビッグタイトルに手が届いてもおかしくない。「だいぶしっかりしてきたし、状態面もいい形で推移している。キングリーを取り巻く人たちのためにも、ぜひタイトルが欲しい」。輸送での馬体減りも想定し、きょう木曜に阪神競馬場へ移動する予定だ。
その重責を任されたのは、3走連続で手綱を取る百戦錬磨の横山典だ。「こんな状況の中で(競馬を)やらせてもらっているだけでもありがたい。自分たちのやることは変わらない。あとは無事に、いい状態で臨めるかどうかだけ」。自身にとっても18年JBCレディスクラシック(
アンジュデジール)以来のG1制覇が懸かる一戦。先週に続き無観客開催は必至だが、いつものように、ただ“1着”を目指して手綱を握る姿勢に変わりはない。
提供:デイリースポーツ