阪神競馬場の芝コースには外回りと内回りがあり、それぞれまったく違うコースといっても良いぐらいに、ラップ的な特徴が異なってきます。東京競馬場に類する外回りに対し、阪神芝の内回りは中山競馬場に近い、いや、むしろ福島競馬場に近いコースといってしまってもいいのではないか、とさえ思っています。
阪神は最後に坂があるじゃないかという声も聞こえてきそうですが、阪神ゴール前の上り坂は高低差1.8mほど。あまり気にする人もいないようですが、じつは福島芝コースにもゴール前には1.2mほどの上り坂があります。この0.6mをもって「阪神は坂で福島は平坦」と断定できるのでしょうか。計算してみても、1.5%の勾配(※数値は概数)は中山よりも福島に近いと考えられます。
今週行われる
大阪杯は“内回り”という舞台設定。つまりは“適性”が重要なポイントになってくるに違いありません。じつは
宝塚記念も阪神内回りコースなのですが、もし仮に
大阪杯や
宝塚記念が福島競馬場で開催されるとなれば、多くの人が「これは通常のGIとは同列に考えられないぞ」と大いに身構えることになるのでしょう。しかし、阪神開催なら誰もとくには身構えない。つまりは、その“意識の乖離”こそが狙い目となってくるのです。
そこで本題に入るのですが、
大阪杯で狙うべきは2400m前後を得意とする馬ではなく、1600m〜2000mの馬ではないかという論法が仮説として成り立ちます。その前提として、
大阪杯は長距離馬のほうが人気になる傾向。一般的に距離をこなせない馬より、距離をこなせる馬のほうが強い(最終的に好成績を収めやすい)というのは競馬の真理なのですが、この
大阪杯に限っては、そのグループが過剰人気になっているのです。
大阪杯出走馬の距離経験別成績(2100m以上に勝ち鞍があるかないか)を見てみると、勝鞍がある組は117戦して[12-11-14- 80]勝率10%、単回収40%に対し、勝鞍なし組は122戦して[7- 8- 5-102]で勝率6%、単回収115%(※2001年以降。GII時代も含む)となっています。
勝率や好走率は別として、利益を出す買い方を前提とするなら2100m以上に勝ち鞍がある馬は評価を下げてみるべきかと。単勝回収40%は、明らかに手を出してはいけない数値です。今年の出走予定馬で、2100m以上に勝ち鞍があるのは
クロノジェネシス、
ステイフーリッシュ、
ブラストワンピース、
マカヒキ、
ラッキーライラック、
レッドジェニアル、
ワグネリアンの7頭。今年はこのグループに人気馬が多数含まれるあたりが、
大阪杯の大きなポイントになりそうですね。
闇雲にデータだけを見るのではなく、まずは仮説を立てて、そこから裏付けとしてのデータをリサーチ。
ウマい馬券では、ここからさらに踏み込んで
大阪杯を解析していきます。印ではなく、『着眼点の提案』と『面倒な集計の代行』を職責と掲げる、岡村信将の最終結論にぜひご注目ください。
(文=岡村信将)
大阪杯の最終結論は草野仁&倉本匠馬におまかせ! 数多くの優駿を見抜いてきた相馬眼と展開理論が、群雄割拠の一戦を独自の視点で
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