「
大阪杯・G1」(5日、阪神)
満開の桜花を
バックに、咲き誇ったのは2番人気の
ラッキーライラック。好位追走から直線で力強く抜け出し、2019年の
エリザベス女王杯以来となる3つ目のG1を奪取するとともに、13年覇者
オルフェーヴルとの父子制覇を成し遂げた。2着に4番人気の
クロノジェネシスが入り、牝馬によるワンツーフィニッシュ。逃げた1番人気の
ダノンキングリーは3着に敗れた。
本来ならば、スタンドからどれだけ歓声があったことだろうか。先週の
高松宮記念に続き、無観客で行われた春の中距離王決定戦。見ごろを迎えた桜を
バックに、熱き戦いを制したのは牝馬
ラッキーライラックだった。
好スタートを決めて3番手へ。折り合いはピタリ。直線は前を行く
ダノンキングリーと
ジナンボーが壁になったが、
トレードマークの尾っぽを旋回させて
ファイティングスピリットをむき出しに。ラスト1F。反応は抜群。2頭の間をこじ開けて先頭に躍り出ると、M・デムーロはフライング気味に
ガッツポーズ。着差以上に強い勝ちっぷりでゴールを貫いた。
殊勲の鞍上は「(手を上げるのが)少し早かった。裁決に怒られた」と反省しつつも、久々のG1制覇に興奮気味。「無観客で寂しいけど、すごく気持ちがいいね。G1を勝ててうれしい」と19年の
オークス(
ラヴズオンリーユー)以来のJRA・G1タイトルを素直に喜んだ。
前走の
中山記念で初タッグ。休み明けでやや反応が鈍かったが、ひと叩きされた今回はまるで別馬。G1仕様に変わっていた。「スタートをうまく出て、思っていたよりも前に行けた。3〜4角では自分でハミを取っていたし、抜群の手応え。直線も前があいた。運が良かった」。後じんを拝した
ダノンキングリーにリベンジを果たし、額の汗を拭った。
戦況を見守った松永幹師は安どの表情。5歳牝馬の成長ぶりに「ここまで来たかという感じ。去年の秋から精神的に強くなり、馬群をこじ開けられるようになった。本当に強くなった」と目を細める。今後については明言を避けたが「これぐらいの距離を走らせたいなと思いました。これからもっと強い馬と競馬をする。活躍してほしいです」とさらなる高みを目指していく。
ミルコの故郷・イ
タリアは新型コ
ロナの感染拡大が深刻な状況。「一番しんどい。家族や友達が心配。頑張ってほしい」。日本も、そして競馬界も脅威はすぐそこにある。「みんなしんどい。一生懸命頑張ってほしい」。競馬ができる感謝をかみしめながら、これからも熱いプレーで勇気と感動を伝える。
提供:デイリースポーツ