「
桜花賞・G1」(12日、阪神)
2番人気の
デアリングタクトが、無傷の3連勝で桜の女王に輝いた。1番人気の2歳女王
レシステンシアは2番手から抜け出しを図ったが、惜しくも2着、逃げ粘った9番人気の
スマイルカナが3着に入った。
あと一歩で桜の女王の座に届かなかった。1番人気の2歳女王
レシステンシアは2着。スタート後は外からジワッと押し上げて、
スマイルカナにハナを譲り無理をせず2番手のポジションからリズムよく運ぶ。勢いよく4コーナーを回ると、鞍上の
武豊が左ステッキで
ゴーサイン。力強く末脚を伸ばし、逃げた
スマイルカナをかわし先頭に立ったが、残り50メートルで
デアリングタクトの強襲に屈した。
歴代最多の
桜花賞5勝を誇る名手は「残念です。惜しかったですね」と冷静に振り返る。勝てばクラシックの最年長優勝記録を更新していたが、「やりたいレースはできたけど、最後は一杯になってしまった。よく頑張っているけど、勝った馬が強かったです」と潔く勝者をたたえた。
新型コ
ロナウイルスの感染拡大で、7日には政府から非常事態宣言も発出された。そんな中での開催続行に、騎手クラブの会長として「皆さんに勇気を与えられるレースがしたい」と強い決意で臨んだ一戦だった。無観客ではあったが、言葉通りの熱いレースぶりは、間違いなくファンの心にも届いたはずだ。
見届けた松下師も「あれで負けたら仕方がないですね」と、力を出し切った人馬をねぎらった。今後については馬の様子を見て決められるが、さらに力につけて次こそは女王復権を目指す。
提供:デイリースポーツ