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小結ながら大金星を狙えるクリスタルブラック「打てば確実に響く…面白い馬だよね」/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2020年04月16日(木) 18時00分
 今年の3歳牡馬はホープフルS優勝馬が初めて最優秀2歳牡馬に選出された画期的世代。今を時めくサートゥルナーリア(2018年同レース覇者)でさえ、同部門は30票差で次点にとどまったことを思えば、次位に120票差をつけたコントレイルはすでに押しも押されもせぬ大横綱との見立てが正解なのかもしれない。

 とはいえ、阪神JFを5馬身差で圧勝したレシステンシアさえも桜花賞で逆転を許すのが、若駒同士の戦いであるクラシック戦線の難しさであり、面白さ。今週末も馬場状態が微妙な空模様だけに、皐月賞とて伏兵の出番があっても驚かないのは確かだろう。

「皆が口々に“いい馬”だって言うから、どんなものかと俺も弥生賞の前に一度またがってみたんだ。もちろん、厩舎の運動場のみだけどさ。(乗り味は)確かに素晴らしかったなぁ。馬に乗ったのは何年ぶりかって?いや忘れたよ(笑)」

 国枝栄調教師がこんなエピソードを伝えるサトノフラッグは、ひょっとしたら大関以上の存在かもしれない。新馬戦(6着)こそ取りこぼしたが、その後はコントレイルに負けじと3連勝。ディープインパクトを知り尽くす鞍上・武豊をして「父によく似ている」と言わしめた前走・弥生賞は、GI級のお墨付きをもらったに等しかろう。「今まで手掛けた牡馬の中でもナンバーワン」との名伯楽のほれ込み具合もよく理解できる。

 一方で、小結ながら大金星を狙うのは無敗馬クリスタルブラックか。デビューから2戦はともに最速上がり。強敵とは未対戦だが、圧巻のパフォーマンスを見せてきた。加えて、京成杯Vから駒を進める非トライアル組というのが、何やら先週の桜花賞デアリングタクトをほうふつさせる。

「前走にしても追い切りは2本だけ。キ甲も抜けず体はまだ発展途上だけど、中間の放牧でだいぶ後ろは使えるようになってきたね。1週前にしっかり追って反動を見たけど、ダメージなくいい感じで負荷がかかり、一段上がってきそう。だいぶ土台ができてきた感じはあるよ。打てば確実に響く…。面白い馬だよね」

 管理する高橋文雅調教師が強調するのは“目覚めの春”の到来。思えば前走・京成杯も雨上がりの稍重馬場。すべて条件がかみ合えば、こちらも抱ける夢は小さくない。

(美浦のオール自粛野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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