数々の金字塔を打ち立ててきたJRA紅一点に、また新たな勲章が加わった。25日の福島1Rを1番人気の
シルバージャックで制し、藤田菜七子騎手(22)=美浦・根本=が女性騎手初のJRA通算100勝(うち重賞1勝)をマーク。16年3月のデビューから、通算2150戦目での達成となった。くしくもデビュー初勝利を挙げた福島での
メモリアルV。今後もひたむきな騎乗でファンの期待に応えていく。
朝イチの福島競馬場で悠々風を切った。JRA初勝利を挙げた思い出の地で、2020年の10勝目がうれしい区切りの100勝目となった。あれから4年。1番人気の
シルバージャックを5馬身差圧勝へ導いた藤田菜七子に、また一つ、新たな勲章が加わった。
先週の土曜福島1Rで王手をかけてから、16戦目での達成。そこにファンの姿はなかったものの、コンビを組んで2着3回のパートナーと挙げた
メモリアルVには、喜びもひとしおだろう。「ケガなどもあって、なかなか思うようにはいきませんでしたが、周りの方々のサポートや応援のおかげで、こうして無事に達成できたことに感謝しています」と声を弾ませた。
19年は女性騎手初の重賞Vをはじめ、国内外で大活躍。ところが今年2月15日の小倉5Rで落馬し、左鎖骨を骨折。約1カ月の休養を余儀なくされた。ジョッキーとなって初めて経験した大きなケガ。「一日でも早く馬に乗りたい」。手術をした翌日から厳しいリハビリに耐え、3月20日の中山で復帰した。
多くのファンに間近で、自分の活躍する姿を見てもらいたいがためだった。それはかなわなかったが、「こういった状況の中で競馬ができることに感謝しています。ファンの皆さまが、テレビの前で応援してくださっていることをとてもうれしく思っています」と感謝の言葉を忘れない。
JRA女性騎手として初の大台到達も、あくまで通過点にすぎない。「一鞍一鞍を大切に、次の1勝を目指します」。多くのファンが競馬場に戻ってくる日を祈りながら、黙々と、さらなる高みへ精進を重ねていく。
提供:デイリースポーツ