笠松が生んだスターホースの名を冠した重賞・
オグリキャップ記念が4月30日、笠松11レースで行われる。直線の引き込み線からのスタートで馬場を2周する2500m戦は、地方全国交流の一戦で、今年から1着賞金が200万円増額の1200万円と、笠松一の高額レース。船橋から1頭、兵庫から1頭の遠征馬を迎えフルゲート12頭立てにはなったが、格上挑戦馬が何頭かおり、メンバーはやや小粒な印象だ。
しかし、見方を変えれば馬券を買う馬が絞りやすい。中心となるのは
マイフォルテ(兵庫)と
ニューホープの2頭だが、近走の充実ぶりから
マイフォルテを推したい。
JRAデビュー時から一貫して中長距離を使われてきた
マイフォルテ。園田で行われるレースのほとんどが1400m戦だが、1700mや1870mなどのレースにこだわって走ってきた。トップスピードに入ってからの脚は素晴らしく、3走前は徐々にポジションを上げながら、トップスピードに入ると4コーナーは大外からグーンと差し切り勝ち。2走前は前で叩き合いを繰り広げる人気2頭を見ながら追い出しを待ち、3番手から直線で一気に差し切り、前走も後続を突き放しにかかった逃げ馬をゴール寸前でとらえきった。
この3連勝で負かした相手は兵庫ダービー馬
バンローズキングス、重賞2勝のジンギ、兵庫の中距離戦で強さを見せる
マコトタリスマンといずれも強い面々。それだけに、
オグリキャップ記念でも期待がかかるが、唯一の不安点は笠松のコース。直線の距離で言えば、笠松は園田に比べて25m長いにもかかわらず、圧倒的に前が残りやすい。その理由は、砂が軽くタイムが出やすいためだろう。
マイフォルテは勝負所では中団よりも前のある程度の位置にはいるものの、前が止まりにくい馬場で、きっちりとらえきれるかがポイントだろう。
地元大将格として迎え撃つ
ニューホープは重賞4勝。
オグリキャップ記念の
トライアル・
マーチCを制してここへ向かう。その前走は3コーナー手前から内ラチ沿いでスルスルと脚を伸ばしての差し切り勝ち。見届けた関係者たちも「どこからやって来たのか分からなかった」というほどの鮮やかな進路取りだった。笠松というコースは、4コーナーを3〜4番手以内で回るのが王道の勝ちパターン。それだけに、ここ2走はスタートで後手を踏んでいる点が気になるが、3走前のようにスタートを決めて4コーナーを先頭で回ってくれば、安定の強さを見せるはずだ。
好位でレースを運べる
マコトネネキリマルは上記2頭に比べて不安要素が少なく、安定した立ち回りができそう。
キャッスルクラウンは船橋から参戦とあって、「南関東の馬はハイレベル」という先入観から気になる1頭だが、末脚にかけるレースが多いだけに、小回りコースではどうだろうか。ただ、芝の重賞・
せきれい賞(盛岡)で2着の実績があるように、笠松の軽い砂は合うだろう。
オグリキャップ記念は4月30日笠松11レース、16時25分発走予定。
(文=大恵陽子)