クラシック参戦が当時叶わなかった外国産馬に門戸を開くため1996年にGIとして新設された一戦で、現在は中距離だと距離が長いという馬にとっての3歳春の最大の目標と位置付けられている。歴代の優勝馬から
シーキングザパール、
エルコンドルパサーをはじめ、
クロフネ、
アドマイヤマーズなど、国内外で活躍していく馬が数多く輩出されており、今後に向けても楽しみな一戦だ。
1.持ち時計はあるか
近年は1分32秒台の高速決着が当たり前になっており、高いスピード能力を持っていることが勝ち負けの絶対条件となる。過去10年の勝ち馬の内、これが初のマイルだった
ダノンシャンティを除いた9頭中8頭には、既に芝マイルで1分33秒台以下の時計で走破した経験があった。なお、唯一該当しない
マイネルホウオウも1分34秒1の時計を持っていた。
2.差し一辺倒では勝ち切れない
過去10年で、前走の4角を5番手以内で通過していた馬は[8-5-4-58]で複勝率22.7%。対して、前走の4角で7番手以下だった馬は[2-4-5-84]で複勝率11.6%。2・3着にはしばしば差し馬も台頭してくるが、勝ち切るとなると先行力のある馬に分がある。
3.妙味は距離短縮
過去10年で、今回距離延長となる馬は[0-2-0-39]で複勝率4.9%と不振。また、前走マイルを走っていた馬は[7-2-5-80]で複勝率14.9%。勝ち馬こそ多く出しているが、全体としてみると妙味はあまりない。対して、今回距離短縮となる馬は[3-6-5-31]で複勝率31.1%。複勝回収率は165%に上る。
サクセッションはこれまでマイルで4戦3勝。唯一敗れた
デイリー杯2歳Sも、結果的に動き始めるのが早かったことが敗因としてあり、力負けではなかった。1800mの
スプリングSからの距離短縮というローテーションも良く、底を見せていないマイルなら互角以上に戦えてもおかしくないだろう。