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勝利請負人レーンが“遅れてきた大物”ルフトシュトロームを戴冠へ導く/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2020年05月06日(水) 20時08分
 無敗のGI馬2頭が繰り広げるゴール前のデッドヒートに沸いた牡馬クラシック第1弾・皐月賞。今週末に迫った第25回NHKマイルC(10日=日曜、東京芝1600メートル)も、無敗馬2頭の直接対決に注目が集まる。その一翼を担うのがデビューから3連勝でGII・ニュージーランドTを制したルフトシュトローム。鞍上にオーストラリアの若武者レーンを迎えて、一気に3歳マイル王の座を射止めることができるか。東スポが誇る敏腕・立川敬太記者がその可能性を徹底追及する。

 短期免許で初来日を果たした昨年の上半期にいきなりGI・3勝の大暴れ。特例が認められた暮れの有馬記念でもリスグラシューを有終の美に導くなど、日本競馬に竜巻級の旋風を巻き起こしたレーン(他にもメールドグラースリスグラシューで豪GI・2勝)。

 今回、この“勝利請負人”がコンビを組むのは、身元引受調教師である堀調教師の管理するルフトシュトロームだ。自身が手綱を取って皐月賞で惜敗を喫したサリオスも同じ堀厩舎の所属馬。その無念を晴らす意味でも、このNHKマイルCに懸ける意気込みは並々ならぬものがあるに違いない。

「3戦3勝というのは簡単にできることじゃない。このようなステップを踏んでいるのはポテンシャルの高さがあるからこそ。もちろん、これまでのレースぶりはVTRで何度も見ている。まだチャレンジャーの立場だと思うが、チャンスのある馬であることは間違いないだろう。彼とのコンビで最高の結果を出せるようにベストを尽くしたい」とレーン。

 まだレースでも調教でも背中の感触を味わったことがないながらも、大舞台へ向けてしっかりとイメージを膨らませている様子だ。

 ルフトシュトロームのこれまでの3戦を見返すとその強さばかりが際立つ。とりわけ前走のGII・ニュージーランドTは、ゲートで立ち遅れたうえに3ハロン通過34秒2と速めの流れ。好位から楽に抜け出したそれまでの2戦とは全く違う、中団より後ろの位置取りになったものの、メンバー最速の上がりを繰り出してきっちり差し切って見せた。

 能力の高さに疑いなしとなれば、気になるのは状態面のみ。中間の初時計は4月30日の美浦南ウッド。「前走後に少し疲れが出たので、ゆっくり疲れを取ってから徐々にピッチを上げています」と森助手。若干遅れ気味にも映る調整過程だが、「(1週前追いは)単走でしたが素軽い動きでしたし、力を出せる態勢に整えられると思います。中山で3戦続いたのはローテーションの関係。少し不器用な面もあるので、東京替わりがマイナスにはならないはず」とノープロブレムを強調すると同時に、初の東京コースも好材料との認識を示した。

 果たして年明けデビューの“遅れてきた大物”が、わずか4か月に満たないキャリアで3歳マイル路線の頂点を極めることができるのか―。

 無観客競馬が続く現状に触れ、「このような世界情勢の中で競馬に乗れる喜びを実感している。多くの期待を感じているし、その期待に応えるのが私の仕事。チャンスのある馬に乗せてもらっている以上、勝負にこだわった騎乗を心がけていきたい」と語ったレーン。

 その答えを明確にするための準備は、人馬ともすでに整っている。

(立川敬太)

東京スポーツ

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