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2歳女王レシステンシア ルメールとの初タッグで牡馬相手に復権だ!/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2020年05月06日(水) 20時09分
 4月23日から5月23日までイスラム圏で続く断食月のラマダン。イスラム圏でも新型コロナ感染者が多く今年は様相が違っているそうだが、それよりも先に「プチ断食」をしていたのが桜花賞2着からNHKマイルCに挑むレシステンシアだ。

 10月の京都新馬戦は12時15分の発走だったので陣営はカイバを与えずに挑んだが、2戦目のファンタジーS以降はメイン競走ばかり。当日は水とほんの少しの牧草しか口にしなくなって「断食状態になる」と松下調教師は明かす。

「京都、阪神でも当日だけで10キロ以上も減らしてしまう。前走時でも中間の計量から16キロ減での出走。競馬が分かってきたことで食べなくなっていますね」

 牝馬特有の繊細な面が出ているようだ。それでいて桜花賞は重馬場ながら1000メートル通過58秒0のハイペースを4角手前から先頭に並びかけるハードな競馬。最後はデアリングタクトに差されたが、この馬の強さも際立った一戦だった。

 その桜花賞前の話を少々。栗東トレセンに帰厩して1本目の時計(3月27日)が坂路4ハロン51.7-11.7秒と速くなり過ぎたことで調整に誤算が生じていた。1週前(4月2日)は同4ハロン56.0秒と強い負荷をかけられず、当週(4月8日)は同4ハロン49.5秒の猛時計を出さざるを得ない状況に…。それでも大一番では結果を出したことで改めてこの馬の心肺機能、能力の高さを「再認識した」と担当の金浜厩務員が驚いたほどだった。

「あまりいい状態で帰ってこなかったところに、乗り出し1発目があの時計でしょ。さらに当週であれだけの負荷をかけたら下がるかな、と思ったけど、ケロッとしていてまったくダメージがなかったくらい。桜花賞がタフな競馬になったので疲れを心配したが、それもすぐに回復したくらいだから」

 その強靱な肉体、精神力は3歳牝馬離れしている。陣営の信頼が厚いのは当然だろう。

 今回は長距離輸送、左回り、牡馬相手など初となる課題は多いが「当日にカイバを食わなくなっているので、今回の放牧帰りから燕麦を少し甘い味がついたものに替えてみた。そしたら前回よりもしっかり食ってくれている。初めての東京が牧場に帰るのかな、と勘違いしてさらに食ってくれるようならなおいいね(笑)」と金浜厩務員。初の長距離輸送に備えての対策は万全だ。

 続けて「春に2回使ってもう体はできているので、1週前の時計(4月29日=坂路4ハロン53.2秒)でも速過ぎたくらい。ルメールも『操作しやすい』と褒めてくれた。いい感触を得てくれたようだ」。

 昨年の阪神JFで見せた圧倒的なスピード、そして桜花賞で見せた粘り腰を見れば、牡馬相手の大舞台でも不発はなさそう。環境の変化で絶食など、よほどのことがない限りは先頭でゴールを駆け抜けてくれるはずだ。

(永遠の独身野郎・難波田忠雄)

東京スポーツ

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