7頭立てとはいえGI/JpnI勝ち馬4頭が出走し、JpnIの面目を保つメンバーになった。しかし結果は、なんとも微妙なものだった。図らずもスローに持ち込めた
ワイドファラオが逃げ切って、注目の
モズアスコット、
ルヴァンスレーヴはまったく能力を発揮できず。唯一の地方馬
ナンヨーオボロヅキは別として、人気2頭が中央6頭ではうしろからの1、2着という結果を予想するのはなかなかに難しい。
モズアスコットがスタートで躓いたのに驚いたわけではないのだろうが、となりの
サンライズノヴァも両前脚を折るような感じで出遅れ、
ルヴァンスレーヴもタイミングが合わず、外枠人気3頭が揃って出遅れた。
フェブラリーSでハナを主張して競り合った
アルクトスも今回は控えて3番手。これで普通にスタートを切った最内枠の
ワイドファラオは、願ってもない単騎の楽な逃げが叶った。
前半3F-4Fが36.8-49.6で、後半4F-3Fは49.0-36.3。ともに後半のほうが速いという典型的なスローペース。それでも早めに2番手をキープした
ルヴァンスレーヴが完調とまではいかないまでも、8割程度の力でもあれば差し切っていたかもしれないが、逆に直線ではほとんどレースをやめてしまった。
やや離れた4番手を追走した
モズアスコットは、3コーナーあたりからムチを入れてもペースアップについていけず、同じような位置を追走していた
ケイティブレイブからも置かれてしまった。
フェブラリーSのあと予定していた
オーストラリア遠征がコ
ロナの影響で直前に取止めとなって、出走した
高松宮記念が初めての1200m戦で13着。そうしたローテーションが狂った影響はあったのかもしれないし、初めての地方で、コーナーを4つ回るコースもデビュー戦以来。後付けの敗因ならいくらでも考えられる。
レースの上り(36秒3)=
ワイドファラオの上りで、それより速いタイムで差を詰めたのは、能力を発揮できなかった人気2頭以外のJpnI勝ちの2頭。しかし
ワイドファラオはみずからスパートして十分に差を広げており、上り36秒0で2着の
ケイティブレイブ、36秒2で3着の
サンライズノヴァを寄せ付けなかった。
福永祐一騎手の「向正面でも2番手からのプレッシャーがなかった」というコメントでも、
ワイドファラオは相当楽なペースでの逃げだったことがわかる。有力2頭が万全の状態になかったことにも助けられた。
普通にスタートを切った
ケイティブレイブは、
モズアスコットのうしろ5番手まで下げての追走。当然有力2頭を目標にレースを進めていただろうから、3コーナーからペースアップした
ワイドファラオにセーフティリードを与えてしまったのは仕方ない。むしろラチ沿いうまく回ってきての2着は、
フェブラリーSに続いての健闘といえる。