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中山マイルで負けた馬が高配の使者…今年はウイングレイテストが波乱の主役だ

東京スポーツ
  • 2020年05月07日(木) 18時00分
 東京競馬場での5週連続GIの緒戦となる第25回NHKマイルカップ(10日=日曜、東京芝1600メートル)。ここまでマイル路線を歩んできた馬だけでなく、桜花賞皐月賞からの転戦組が入り交じる難解な一戦だ。とくに近3年はすべて1番人気が馬券外で3連単配当は6ケタという大波乱傾向で、穴馬を狙う当欄にはうってつけ。今年は前哨戦のニュージーランドTで3着に敗れたウイングレイテストが高配の使者となる。

 高配当が連発している本レース。穴馬の成績を精査すると、ひとつのパターンが見えてきた。

 それは“中山のマイル戦で負けた馬”が激走するということ。例えば2016年に12番人気ながら3着に食い込んだレインボーラインは、ニュージーランドT・5着からの反撃。他にも17年のリエノテソーロ(アネモネS・4着→13番人気2着)、18年のケイアイノーテック(ニュージーランドT1番人気2着→6番人気1着)など、中山マイルから巻き返した馬が高配当を呼んでいる。

 おそらく理由はコース形態が全く違うためだろう。スタートしてすぐコーナーがある小回りコースが舞台の中山マイルに対し、東京マイルは最初のコーナーまでの距離が長く、直線も長い大箱コース。中山で力を出し切れなかった馬が、東京コースで目を覚ました時に“穴”となるのだ。

 そこで狙ってみたいのはウイングレイテスト。前走は“中山マイル”のニュージーランドTで3着に敗れたが、青木調教師は全く悲観していない。

「前走はいい感じで回ってきたのですが、4コーナーで大きく外にはじかれる不利がありました。それでも集中力を最後まで保って走れていたのは良かったですね。結果は残念でしたけど、改めて能力の高い馬だと感じました」

 今年に入って今回で3戦目。“使い過ぎ”と見る向きもあるかもしれないが、それも全く問題なし。2走前のGIIIファルコンS(6着)を使う前から、トレーナーは今回のローテーションを公言しており、すべて予定通りの行動なのだ。

「もちろんすべて勝つつもりでいましたけど、このNHKマイルCまで見据えて馬をつくってきました。1週前追い切りも予定通りの内容で、しまいの反応も良かった。ファルコンSからニュージーランドTにかけてほどの上積みはありませんけど、いい意味で前走時と変わらない。申し分ない状態ですよ」

 あとは肝心の東京マイルの適性だが、その点についても指揮官はノープロブレムを強調する。

「これまで6戦していますが、すべて違う競馬場ですからね(笑い)。どこでも走れるし、力を出せるタイプです。わけても前走は(大きな不利とされる)中山マイルの大外枠。今回がどこのコースであろうと、間違いなくプラスに働くと思います」

 鞍上は先日のGIIフローラSで重賞初制覇を飾った横山武史。勢いに乗る若武者を背に、今年はウイングレイテストが波乱の主役となる。

(藤井真俊)

東京スポーツ

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