仏国の競馬が、開催決行に向けて訪れた最後の危機を乗り越え、11日にパリロンシャン、
トゥールーズ、
コンピエーニュの3競馬場で再開する。
農業省、財務省といった中央政府の関係省庁や、地方行政府、地元治安当局らの承諾を得て、競馬統括団体のフランスギャロが11日から競馬を再開する予定で準備を進めていた中、中央政府の一部から突如として横槍が入ったのが、8日(金曜日)のことだった。
仏国では、11日からロックダウンの部分的緩和措置が講じられ、小学校の再開などが決まった一方、「公衆衛生上の緊急事態」は依然として継続され、例えばプロサッ
カーリーグのようなチームスポーツの興行は、9月まで自粛するよう通達されている。そんな中、競馬だけが再開を認められるのはおかしいという声が中央政府の一部から出て、クリストフ・カスタネール内務大臣がエマニュエル・マクロン大統領に対し、競馬開催を禁じる通達を地方行政府の長に対し行うよう、進言したことが明らかになったのが8日だった。
これで11日の再開は暗礁に乗り上げたかに見えたが、そこから巻き返しを図ったのがフランスギャロだった。元大統領候補で競馬への理解が深い
フランソワ・バイル氏や、
ドーヴィル市長で中央政界にも太いパイプを持つ
フィリップ・オージエ氏らが、それぞれのチャンネルを使ってロビー活動を展開。最終的にはマクロン大統領から、11日再開の
ゴーサインを得ることが出来たものだ。
パリロンシャン競馬場では、G2ア
ルクール賞をはじめ4重賞が施行される予定だ。
(文:合田直弘)