13年のG2・
神戸新聞杯2着など、日本
中央競馬会(JRA)のトップクラスで活躍した
マジェスティハーツ(セン10歳)を覚えているだろうか。今は広島県廿日市市の「MRC乗馬クラブ広島」で“第二の馬生”を送っている。
黒光りする鹿毛に、顔には細い流星。がっしりとした筋肉が胸前や尻を覆っている。性格はやんちゃ。イン
ストラクターの三浦祐二さん(51)は「馬房に入ってきたスタッフを蹴ろうとすることもあります。特に食事中は、邪魔をしたら怒りますよ」と苦笑いする。競走馬としての活躍を支えた闘争心の名残がまだあるようだ。
マジェスティハーツはJRAの競走馬として栗東・松永昌博厩舎に所属。12年9月23日の新馬戦(阪神芝1600メートル)を、
武豊騎手(51)とのコンビで鮮やかに制した。春のクラシックには参戦できなかったが、夏を経て本格化。13年
神戸新聞杯で2着に入ると、
武豊とのコンビ再結成でG1・
菊花賞に挑戦。13着に敗れたが、2番人気の支持を集めた。
その後も14年
新潟大賞典、15年
中京記念、
鳴尾記念とG3で2着が3回。タイトル奪取にはわずかに及ばなかったが、長く重賞戦線で活躍を続けた。17年には障害戦に転向。こちらでも5戦1勝、6着以下なしの好成績を残した。
通算35戦4勝、生涯獲得賞金1億5417万5000円の成績で競走馬を引退。18年7月にMRC乗馬クラブ広島にやってきた。現在は上級者向けの乗馬として、乗馬大会への参加も視野に入れる。クラブのパンフレットの表紙を飾り“広告塔”としても役割を果たしている。未経験者が乗ったり
ニンジンを与えたりはできないが、馬房での面会程度ならクラブが対応するとのこと。新型コ
ロナウイルスの騒動が収まったら、
一口馬主として出資していた方や、馬券でお世話になった方々は“お礼参り”を検討してはいかがだろうか。
毎年7000頭以上が生産されるサラブレッド。競走馬は6、7歳で古株扱いされ衰えも指摘されるが、馬の寿命は30歳前後とされる。この寿命を全うできる馬はごくわずか。
マジェスティハーツのように、幸せな引退後をすごせる競走馬が増えることを願ってやまない。(デイリースポーツ・浅野将之)
【MRC乗馬クラブ広島】
◆住所 広島県廿日市市飯山18-99
◆電話 0829・72・0233
◆交通 JR宮内串戸駅から無料送迎あり。
◆乗馬体験 完全予約制で、対象は小学生以上。乗馬教室の会員も募集している。
◆定休日 毎週月曜午後と火曜。
提供:デイリースポーツ