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【勝負の分かれ目 ヴィクトリアマイル】好スタートから圧勝。強いアーモンドアイが帰ってきた

  • 2020年05月17日(日) 17時30分
 最強牝馬アーモンドアイが、感動的な強さで「復権」を果たした。

 2頭が出走取消となり、16頭によって争われた第15回ヴィクトリアマイル

 勝負の分かれ目はどこだったかというと、アーモンドアイがメンバー中1、2番に速いスタートを切った瞬間だろう。それにより、他馬に寄られて大きな不利を受けた昨年の安田記念の再現となる不安がなくなった。と同時に、前が止まらない高速馬場で圧倒的なアドバンテージを持つことになった。

「パドックからスタートまで、いい感じでした。大人になった。静かでした」

 ルメールがそう振り返った落ち着きが、好スタートにつながったのか。

 隣の枠から出たトロワゼトワルが先手を主張する間に、自分のリズムで走りながら他馬を先に行かせ、6、7番手におさまった。

「道中はとても乗りやすかった。リラックスしていました。(サウンドキアラの)松山騎手の後ろのいいポジションでした」とルメール。

 抜群の手応えのまま行く気に任せて走るうちに、ポジションが少しずつ上がって、4番手の外目で3、4コーナーを回った。

 直線に入っても、ルメールは手綱を持ったままだった。ラスト300mあたりで、同じようにいい手応えで追い出しを待つサウンドキアラの外に並びかけた。ルメールが、手首の動きを強める程度に仕掛けただけで瞬時に反応し、ラスト200mを切ると独走態勢に入った。

 最後までノーステッキのまま、2着サウンドキアラに4馬身差をつけ、悠々ゴールを駆け抜けた。

「ずっとマイペースで走ることができました。最後はパワフルなストライドを使った。これからは負けないです。レジェンドホースです」

 ルメールは笑顔でそう話した。

 これがアーモンドアイにとって、キタサンブラックディープインパクトら歴代の名馬に並ぶ、芝GI7勝目となった。

 勝つときはすべて圧巻。強いアーモンドアイが帰ってきた。

(文:島田明宏)

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