一昨年は31年ぶりに1〜3番人気の馬が全て4着以下に敗れる決着となり、昨年は53年ぶりに2桁人気馬が勝利する波乱となった。以前はこの大舞台までに実績を積み重ねてきた人気馬がしっかり力を出し切って、馬券的には平穏な決着となることが多かったが、近年は伏兵の台頭が目立っている。
1.乗り替わりは不振
過去10年、前走と同じ騎手とコンビを組んでいた馬が[10-8-7-93]で複勝率21.2%なのに対し、今回騎手が乗り替わりとなる馬は[0-2-3-55]で複勝率8.3%。勝ち馬に関して言えば、乗り替わりでの優勝は85年の
シリウスシンボリまで遡らなければならない。
2.キャリア数に注目
過去10年、本番までのキャリアが5戦以内だった馬は[6-7-3-51]で連対率19.4%・複勝率23.9%。対して、キャリアが6戦以上だった馬は[4-3-7-97]で連対率6.3%・複勝率12.6%。キャリア豊富な馬が3着に絡んでくるケースはしばしばあるが、勝ち負けとなるとフレッシュな馬に分がある。
3.末脚だけでは届かなくなっている
昨年は大逃げから離れた2番手追走だった
ロジャーバローズが、早めに先頭に立って押し切りV。また、一昨年の
ワグネリアンは外枠から果敢に先行策を取って勝利し、17年の
レイデオロは道中で2番手まで位置を押し上げ、そのまま粘り切って戴冠を果たした。近年は4角である程度前にいなければ、勝ち負けに加わることができていない。
ダーリントンホールは前走の
皐月賞で6着に敗れたが、出遅れて後手に回ったことが大いに響いた形。4コーナーでは大外を回りながらも良く伸びてきており、内容自体は悪くなかった。2走前の
共同通信杯で好位追走から追い比べを制したように本来先行してこその馬だろうし、あまり器用さがない大型馬であるから東京替わりと距離延長はプラスだろう。前走よりさらに人気を落としそうな今回こそ、改めて評価したい。