日本ダービーは強い馬ではなく、“強いと思われていた馬”を狙うべき稀有なレース。じつは前走の着順よりも、前走人気のほうがずっと重要なレースなのです。
一般人の知恵を集めた『集合知』という言葉があります。とくに近年はインターネットの普及により、それ以前の集合知(ご近所レベル)とは比較にならないほど多くの情報が得られるようになりました。
多くの人が(望もうが望むまいが)高度な教育を受けている現代の日本、専門家1人の提言よりも集合知のほうがはるかに参考になるという意見もあります。ならば競馬における人気、オッズとは“究極の集合知にも近いもの”と考えられるのではないでしょうか。
現代競馬におけるオッズが“究極の集合知にも近いもの”であるならば、
皐月賞の結果いかんにかかわらず、
皐月賞前に形成されたオッズ、人気順はおおむね正しいと考えられます。
具体的な基準を示すと、前走2番人気以内、前走がGIなら多少条件を緩めてNHKマイル3番人気以内、
皐月賞なら5番人気以内。これに該当するグループをA、該当しないグループをBとします。過去30年のダービー出走馬は、この2グループに分けることができます。
1990年〜2019年の過去30年を遡ってみると、グループAは248戦[27-26-19-176]で勝率11%、複勝率29%、単回収90%、複回収101%であったのに対し、グループBは294戦[3-4-11-276]で勝率はわずか1%、複勝率6%、単回収16%、複回収 41%となっていました。
どちらが好成績を残しているかは一目瞭然です。そこで、このデータに今年の出走予定馬を照らし合わせますと、Aグループが
アルジャンナ、
ヴェルトライゼンデ、
エヒト、
コントレイル、
サトノインプレッサ、
サトノフラッグ、
サリオス、
ダノンファラオ、
ビターエンダー、
ワーケアの10頭。
Bグループは
ヴァルコス、
ウインカーネリアン、
ガロアクリーク、
キメラヴェリテ、
コルテジア、
ダーリントンホール、
ディープボンド、
ブラックホール、
ブラックマジック、
マイラプソディ、
マンオブスピリット、
メイショウボサツ、
レクセランスの13頭となりました。
過去30年、Aグループがワンツーを決めたダービーは23回(77%)で、1-3着を独占したダービーはちょうど半数の15回(50%)。逆に、頭数的には半数を超えるBグループの馬がワンツーを決めたダービーは過去30年で1度もありません。
人気馬だけではなく、07年に単勝84.5倍という人気薄ながら
ウオッカの2着に好走し、3連単で215万を超える配当の立役者となった
アサクサキングスや、一昨年に単勝223.7倍という低評価を覆して3着に激走し、3連単285万馬券の片棒を担いだ
コズミックフォース、昨年93.1倍という単勝オッズで勝利した
ロジャーバローズにように、Aグループの人気薄で好走した穴馬までも全部拾えてしまうのが、このデータの特筆すべきところ。すなわち、
日本ダービーは強い馬ではなく、前述したような“強いと思われていた馬”を狙うレースなのです。
(文=岡村信将)
ただ今、
日本ダービー予想特集ページにて全員に500ポイントをもれなくプレゼント中。
日本ダービーのプロ予想を無料で見るチャンスです! ページ内では血統ビームの亀谷敬正や調教捜査官の井内利彰ら人気予想家によるダービー攻略法を公開中。以下より、ぜひご覧ください。