「
日本ダービー・G1」(31日、東京)
最優秀2歳牡馬に輝いた時点で既に“
ディープインパクト産駒の最高傑作”との声を集めていた
コントレイル。
皐月賞の走りでさらに同馬の評価は高まった印象だが、その強さの秘密を血統面からあぶり出す。ディープの子は、産駒が出走した11年以降で5頭がダービー馬に。
コントレイルも先達に続くことができるか。
コントレイルは母系がバリバリの“米国”血統。母の父アンブライドルズソングは仕上がりの早さとダート適性の高さが特徴的で、
父ディープインパクトとの配合は、14年朝日杯FSを制した
ダノンプラチナと同じ。ともにスピードタイプに出た印象だが、仕上がりの早さ&父の長所を引き出すという点において、両馬の母系に共通点を見いだせる。
ディープインパクトを父に持つダービー馬は過去に5頭いるが、
コントレイルに最も近い配合は、18年の覇者
ワグネリアンだろう。母系はいわゆる“ミスプロ系”。この系統は、短距離ダートを得意とする
フォーティナイナー系と、スタミナ+高速決着に強い
キングマンボ系に分派するが、
ワグネリアンの母の父は後者の
キングカメハメハ。父と母の父がともにダービー馬という“金子ブランド”とあって、配合的にはケチのつけようがなかった。
だが、
コントレイルの
母ロードクロサイトは、ミスプロ系でもよりダート色が濃い
ファピアノ系。日本では、
エンパイアメーカーや
ダンカークの名を挙げれば分かりやすいだろうか。持久力に優れている半面、切れ味に欠けるタイプが多く、中長距離ダートでの活躍馬が多いのが特徴的。決してクラシック向きとは言い難い。
それでも、ディープと同じSS系×母の父アンブライドルズソングの配合からは、17年のダービー2着馬
スワーヴリチャード(
父ハーツクライ)や、14年の
菊花賞馬
トーホウジャッカル(
父スペシャルウィーク)がおり、仕上がり次第で
ファピアノ系の持久力がクラシックで力を発揮することを証明している。父系の“軽さ”を色濃く受け継いだ
コントレイルが、距離の壁を乗り越えられるのか?それは、母系に宿る
ファピアノの血が騒ぐか否かにかかっているのかもしれない。
提供:デイリースポーツ