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「馬の余力」をテーマに導きだした“惑星”はこの2頭/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2020年05月28日(木) 18時30分
 先週のオークスを消耗戦と踏んでウインマリリン◎(2着)という結論を導き出した「トレセン発秘話」の山村隆司記者が、第87回日本ダービー(日曜=31日、東京芝2400メートル)に斬り込んだ。皐月賞1、2着馬の戦略、さらにアーモンドアイでおなじみ、あの名伯楽の言葉からヒントを得てたどり着いた結論は…。サバイバル・ダービーの推奨馬はコレだ――。

クラヴァシュドールはどうしてあんなに(15着)負けたんだろうね」

 週明けの26日、手塚貴久調教師がオークスを振り返ってこんな逆取材をしてきた。「敗因はおそらくマルターズディオサ(10着)と一緒でしょう」。当方がそう返すと師は納得顔で首肯した。

「確かに桜花賞上位馬は軒並み着順を落としたし、この時期のGI連戦はきついのかな。ワーケアも弱さを抱えてきた馬だから、もし皐月賞を使っていたらダービーはなかったかもしれない」

 生涯一度のクラシックは時に消耗戦の様相を呈する。ゆえに今、浮き彫りとなるのは、皐月賞をぶっつけで挑んだ「2強」の戦略と意義だろう。第1冠で3着以下を3馬身半離し、1、2着を分け合ったコントレイルサリオス。その実力に今回は余力の差まで加わるとすれば…。2頭の牙城を崩せる確率は、紙のように薄いのかもしれない。そんな思いを抱かせたダービーウイークの初っぱなである。

 さて、馬券のポイントが“3着付け”にあるのなら…。あえて弥生賞2着からぶっつけを選択したワーケアの戦略も、悪くなく見えてくる。

「使ってきた組と比べて息持ちがどうかの懸念はあるが、雰囲気や柔らかさにおいては明らかに弥生賞以上だよ。加えてこれだけビシビシ追えたのもデビュー以来初めてのこと。コーナーで加速がつかず直線に入ってようやくエンジンがかかるタイプだし、ルメールが言う通り直線の長い東京が合うのは確か」と指揮官。その鞍上が2歳時には「来年のダービー馬ネ」と指名した馬ではある。見直す余地はあろう。

 一方、オークスは4着リアアメリア、5着マジックキャッスル、6着チェーンオブラブまでが、揃って桜花賞惨敗(10、12、11着)からの巻き返し。第1冠の不完全燃焼が反撃を呼んだと見れば、消耗度の低さから浮上する馬もいる。2番人気の皐月賞で5着に沈んだサトノフラッグを、管理する国枝栄調教師は次のように分析した。

皐月賞は正直、敗因がつかめず首をかしげるばかり。負けても3着と思っていたが、全くの迫力不足だったな。そこまできちっと仕上げたつもりはなかったが、あえて敗因を求めれば馬の覇気か。もともと走るのが好きなディープ産駒だし、今回はオツリを残す感じでやってきた。まあ、神頼みだけど、距離延長はプラスと思うし、この調整で変わってこないか」

 こちらは指揮官が一度は「牡馬の歴代ナンバーワン」と評した素材だが、くしくも大一番で掲げるテーマは同じく“馬の余力”。当方もキーワードはここにありと見て、オークスで取り逃した3連単を今週こそゲットする算段だが、結果はいかに?

(美浦の経済再生野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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