「ダービーからダービーへ」という
サイクルで、2012年からは
日本ダービー翌週に2歳戦がスタートしている。では3回阪神開催初日にデビューを果たした馬といえば?
レッドリヴェール(13年阪神JF)、
ケイアイノーテック(18年
NHKマイルC)が後にGIを制覇。まさに初っぱなから目が離せない。
実を言うと、当方の担当厩舎から今年の
皐月賞&ダービー出走馬はゼロだった。その事情を知ってか知らずか、須貝調教師はPOG取材の段階で「来年こそ、オマエを忙しくさせてやらんとな」と宣言。今年の2歳世代には相当な手応えを感じているらしい。その中で真っ先に名前が挙がった
ステラヴェローチェ(牡=
父バゴ、
母オーマイベイビー)が土曜(6日)阪神芝外1600メートルでデビューを迎える。
「
バゴ産駒らしくないと言っていいのかな。背が高い中で
バランスが取れていて、いいスピードを持っている。ダービーを目標にできる馬だな」とトレーナーの評価は、めっぽう高い。担当の山田助手の見解も同様で、「乗り味が良くて、母の
父ディープインパクトの血が出ている感じですね。少し
テンションが上がりやすいと聞いていたけど、今のところメンコなど馬具を使わなくても我慢できている。かかるところがなくて、操作性が高く、メチャクチャいい馬ですよ」。
トレセン関係者も「緑ゼッケン」(=2歳馬)には注目している。山田助手によると、「他厩舎の人からも“ええ馬やな”と何人にも言われる。“血統は?”って聞かれて、
バゴって答えると、みんなビックリするんですよ(笑い)。まだビシッと追っていない中でも楽に好時計が出ているし、能力は相当ですね。当初は次開催の2000メートルのプランもあったくらいで、距離の融通も利くと思っている」と早くも視線の先は来春へと向いている。
昨年の
秋華賞を制した
クロノジェネシス、10年の
菊花賞馬
ビッグウィークなど、時に大物を出す
バゴ。「勝負の一年」と須貝調教師が意気込む中でも、最初に名が挙がり、最初に初陣を飾る、この
ステラヴェローチェに注目して損はないはずだ。
(難波田忠雄)
東京スポーツ