「
安田記念・G1」(7日、東京)
最強女王を見事に打ち破った。3番人気の
グランアレグリアが直線で早めに抜け出すと、ラ
イバルを寄せつけず2馬身半差の完勝で、2つ目のG1タイトル奪取。19年の
桜花賞馬が再び輝きを取り戻した。JRA史上初となる芝G1・8勝目を狙った圧倒的1番人気の
アーモンドアイは2着、連覇を狙った2番人気の
インディチャンプは3着に終わった。
G1馬10頭が顔をそろえた春のマイル王決定戦。制したのは
グランアレグリアだった。道中は中団でスムーズに追走。勝負どころから仕掛け、直線でエンジン全開。残り200メートルで抜け出すと、自慢の加速力で一気に後続との差を広げる。G1・8勝目を狙った
アーモンドアイに2馬身半差をつけて、19年の
桜花賞以来となるG1・2勝目を手にした。
見事にエスコートした池添だったが、3角手前で芝の塊が右目付近を直撃。ゴーグルを着用していたとはいえ、脳振とうを起こしかけた。勝利騎手インタビューでは、右目を大きく腫らしながら「目が痛過ぎたし、必死になり過ぎてゴールまで余裕がなかった」と苦笑い。それでも、「折り合いに専念して、いいリズムの中でいいポジションが取れた。後ろから来るのは分かっていたので最後まで緩めず追った。このまましっかり伸びてくれればと思っていた」と喜びをかみしめながら振り返った。
初コンビだった前走の
高松宮記念は、初の1200メートル戦でもありスタートから流れに乗れなかったが、前残りの展開の中、メンバー最速タイの上がりで2着まで押し上げた。2回目の騎乗では、走り慣れたマイルとはいえ、理想的な形で最高の結果を導き出した。「このメンバーで勝てたのは価値あること。ずっとこの馬に乗っていたい」とコンビ継続を望んだ。
現役最強馬を一蹴し、G1・30勝目となった藤沢和師も会心の笑み。「スタートも良かったし、上手に競馬をしているなと思いました。手応えも良かったので、4コーナーを回る時に安心して見てました。強い馬相手に勝てると思っていなかったけど、強い内容でした」と満足げ。今後については「馬の様子を見てオーナーと相談して決めたい。秋になると思います」と語った。
牝馬の勝利は09年
ウオッカ以来11年ぶり。3歳時には天才少女と呼ばれた才能あふれる4歳牝馬が、偉大な先輩たちに続く道を歩み出して行く。
提供:デイリースポーツ