「
安田記念・G1」(7日、東京)
快挙達成はならなかった-。JRA史上初の芝G1V8を狙った
アーモンドアイは、最後の直線でいつもの豪脚が見られず2着。1歳年下の
桜花賞馬
グランアレグリアに2馬身半差の完敗を喫した。また、連覇を狙った
インディチャンプも牝馬2頭の後じんを拝し、3着が精いっぱいだった。
史上初となる芝G1・8勝目を懸けて臨んだ
アーモンドアイだったが、この日は何かが違った。残り400メートルからのスパート。いつもならスパッと切れる末脚が鳴りを潜め、じりじりとしか伸びない。「最後に脚を使っているけど、本来の彼女ならもっといい脚を使えたかもしれない」と、ルメールも首をかしげるしかなかった。
少し立ち遅れる形でのスタート。ただ、昨年のような大きな不利ではない。鞍上の「その後はうまくリカバリーができた」との言葉通り、スッと中団の位置を確保できた。目の前には何度も手綱を取ってきた
グランアレグリアがいる。「あの馬を見ながらスムーズに直線に入って行けた。勝った馬が強かった。コンディションも良かったと思うけど…」と力なく振り返る。もくろみ通りの展開での敗戦は、完敗としか言いようがない。
単勝1・3倍という圧倒的人気に表れていたように、誰もが勝利を信じて疑わなかった。その思いは指揮官も同じ。8冠達成はこの日、この時と信じていた。「負けるシーンは想定していなかった。ため息しか出ない」と国枝師は苦々しく漏らした。
なぜ負けたのか-。これまで3度の敗戦には、それぞれはっきりとした要因があった。「スタートで少し安めを売ったけど、ちょうど
グランアレグリアの後ろに行っているからね。やはり表向きは何ともなかったけど、(レース間隔が)短いのが影響したのかな」と話すように、初の中2週競馬が響いたとしか考えられない。
もちろん、これで終わりではない。快挙達成に挑む戦いはこの後も続く。「しょうがない。まだ秋もあるから。気持ちを切り替えて」と指揮官。最後は自らを奮い立たせるように逆襲を誓った。
提供:デイリースポーツ