「
函館スプリントS・G3」(21日、函館)
このひと追いで態勢は整った。
シヴァージが18日、函館Wを単走で追われた。芝路線に転向してから少しずつ地力をつけ、今春の
高松宮記念は12番人気ながら5着。ダート実績があるだけに、タフな洋芝は魅力的な設定。自身の
スタイルは変えず末脚勝負を貫く。さらなる飛躍を見据え、まずはここで重賞初タイトルを奪取したいところだ。また、オープン入りした
スイープセレリタスも、函館Wで丸山を背に軽快な走りで好調ぶりをアピールした。
シヴァージは朝一番に函館Wに登場。3コーナー手前からペースを上げて直線へ向かうと、ここで手綱を取る藤岡佑が
ゴーサイン。鞍上のアクションに応え、直線は力強い伸び脚で5F67秒5-38秒5-12秒6と一直線に伸びた。
藤岡佑は「“しっかり追ってほしい”という指示。少し反応が鈍いかなと思ったけど、これでピリッとしてくれば」と及第点を与える。「坂路だと怖いくらい動くけど、コースだとこれくらいだと思う。少し間隔はあいていても、歩様や動きは問題ない」と仕上がりに問題がないことをアピールした。
前走の
高松宮記念は道中15番手から追い上げ5着。「4角で前をカットされた。スムーズさを欠きながら、2着馬(
グランアレグリア)と同じ脚を使っている」。G1初挑戦の前走でメンバー1位タイの上がり3F33秒1を見せ、芝重賞でやれるメドは完全に立った。
デビュー当初はダート路線を歩み、19年10月の
神無月Sを勝ってオープン入り。そこから芝路線に切り替え、2走前の
北九州短距離Sは、後方一気の末脚発揮で新境地を開いた。小川助手は「体質を考えてダートを使っていたけど、もともとは芝で、と思っていた」と芝転向の理由を明かす。
北海道シリーズは初参戦になる。藤岡佑は「ダートを走っていたこともあり、重い馬場は苦にしない。あとは時計が速くなった時にどこまで対応できるか」と勝敗の鍵を挙げた。戦法は揺るがない。北の大地でも豪脚さく裂を狙うのみだ。
提供:デイリースポーツ