「
函館スプリントS・G3」(21日、函館)
父の日に人馬が魅せた。名手・
武豊の絶妙な手綱に導かれ、1番人気
ダイアトニックが力強く抜け出して重賞2勝目をゲット。幸先良くサ
マースプリントシリーズ初戦を制すとともに、父
ロードカナロアに産駒初の函館重賞タイトルをプレゼントした。2着に10番人気の
ダイメイフジが逃げ粘り、3番人気の
ジョーマンデリンが3着に入った。
ここでは役者が違うと言わんばかりの横綱相撲だ。1番人気の
ダイアトニックが、メンバートップの斤量58キロを背負って完勝。テン乗りで鮮やかなエスコートを見せた
武豊は「断然の1番人気だったので、結果を出せてホッとしています」と胸をなで下ろした。
道中は好位のインをロスなく立ち回る、歴戦の名手らしいレース運び。「スタートが良かったので迷わずに。ハナを切るのも選択肢にあったし、ごちゃごちゃするのは嫌だったからね」。直線で
ダイメイフジをかわして先頭に立つと、後続を全く寄せつけず2馬身差をつけてゴールした。
父である故・邦彦氏の生まれ故郷での美酒に、「函館はゆかりの地ですからね。父の日に勝てて良かった」と感慨深げだ。
ダイアトニックも、父
ロードカナロア(12年2着)の雪辱を果たすとともに、産駒として初めての函館重賞タイトルをプレゼント。人馬ともに最高の親孝行ができた。
安田隆師は「この後は放牧を挟んで、キーンランドC(8月30日・札幌)から
スプリンターズS(10月4日・中山)へ」と、さらなる飛躍を描いた。サ
マーチャンプから秋の大舞台へ-。「初めて乗ったけど、かなり高いス
プリント能力がある。これからの活躍が楽しみ」。名手のお墨付きを得た5歳馬が、輝かしい未来へ向かって歩を進める。
提供:デイリースポーツ