先週の
宝塚記念は優勝馬
クロノジェネシスから2着
キセキが6馬身差、さらに5馬身離れた
モズベッロが3着入線…。1番人気
サートゥルナーリアの4着ごう沈という結果を別にしても、
グランプリとしては見応えのない一戦に終わった。
JRA発表は稍重でも「ちょっと悪い馬場だと気になる馬だけど、逆にここまで悪いと気にならなかった」(7着
トーセンスーリヤ=
横山和生)が乗り手の感触。つまり明暗を分けたのは馬場適性であり、「稍重」の字面を頼りにしたファンこそ痛い目を見たのではなかったか。
現在、
JRAは含水量で馬場状態を区分しているが、実質が言葉のイメージと乖離することもしばしば。ゆえに一日も早く望まれるのが、含水量のみならずクッション性の情報公開である。昨春に「馬場の硬度測定値を加速度Gの単位で発表する予定がある」と主催者は明かしたが、気づけば当時から1年以上が経過。今年の
宝塚記念こそ硬度値の意義をファンにアピールする格好の舞台だっただけに、いつまでも“予定は未定”はご容赦願いたい。
さて、今週から舞台は、東京から福島へ。いよいよ本格的なローカル開催に突入するが、みちのくも相変わらず微妙な空模様となると…。昨年3連単14万円超となったGIII
ラジオNIKKEI賞(日曜=5日、福島芝1800メートル)に波乱のにおいがプンプンする。そこで注目したのが、ちょうど1年前の福島開幕週、不良馬場で新馬勝ちを収めた
コンドゥクシオン。2勝目を挙げた
山桜賞も決着に2分05秒3を要する重馬場であり、まさに「水かきが付いている」と表現したくなる道悪巧者なのだ。
「普段乗っていて道悪がうまいとは感じないんだけど、レースに行くと違うよね。
山桜賞も他が動けないところで動いて勝ち切るんだから大したもの。持久力勝負が向くと見て送り出した前走の
青葉賞は距離の壁を感じる結果(12着)でも、ここは改めて期待したい」
こう語るのは管理する
中舘英二調教師。「良くなるのはもっと先だろうけど、人間が思っている以上に能力が高い」の言葉は、曽祖母に
ダイナカールを持つ確かな血筋を照らしていようか。ハンデも53キロと手頃。馬場次第で狙う手は十分と見るが、果たして結果は?
(美浦の硬度値100野郎・山村隆司)
東京スポーツ