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【勝負の分かれ目 CBC賞】斎藤騎手が積極的な競馬でラブカンプーを復活させ、人馬ともに重賞初制覇

  • 2020年07月05日(日) 18時20分
 9年ぶりに阪神競馬場が舞台となったCBC賞は稍重のコンディション。

 斎藤新が騎乗する13番人気のラブカンプーが好スタートを切った。斎藤は力強く手綱をしごいてラブカンプーを行かせ、ゲートからの10完歩ほどで体ひとつ抜け出して先頭に立った。

「枠(2枠3番)や、ハンデ(51キロ)から、積極的な競馬をしようと心がけていました。外に速い馬もいましたけど、ゲートを出た瞬間、これはイケるなと思いました。ハンデもこちらのほうが軽かったので、積極的に運びました」と斎藤。

 ゲートから1ハロンほどのところで2番手に1馬身半から2馬身ほどの差をつけ、単騎で飛ばす。これも斎藤が思い描いていた形だった。

「この馬場ですし、ハンデも軽いので、引きつけて逃げるより、後ろに脚を使わせて、いかに粘れるかという形のほうがいいな、と考えていました」

 斎藤の強い気持ちが伝わったのか、3コーナーに入っても、後続は無理には競りかけてこない。3、4コーナーを回りながら、ラブカンプーは後続との差をさらにひろげ、3、4馬身のリードのまま直線に向いた。

 ラブカンプーは斎藤の左ステッキを受けてストライドを伸ばし、2着に1馬身3/4差をつけ、先頭でゴールを駆け抜けた。

 デビュー2年目で重賞初制覇を果たした斎藤は、ゴール後、右の拳を握りしめ、喜びを表現した。

「求めたことに馬が応えてくれました。こみあげてくるものは大きかったです。だんだん馬自身も復調してきて、厩舎サイドも上手く調整してくれて、いいときに乗せていただきました。馬主さん、森田(直行)先生をはじめとする厩舎の方々への感謝の言葉しかありません」

 ラブカンプーに約2年5カ月ぶりの勝利をプレゼントした斎藤にとって、これが今年の20勝目。地方を合わせて44勝をマークし、JRA賞最多勝利新人騎手となった昨年に比べると、勝ちあぐねている印象があった。この勝利で2年目のジンクスは消し飛んだ。さらなる飛躍に期待したい。

(文:島田明宏)

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