7月19日、
高知競馬場で重賞・
トレノ賞(1300m)が行われる。1300mのスタート地点は4コーナーから直線に入ったところ。最初のコーナーまでの距離が短いため、たった100mの違いだが1400m戦よりもテンが速くなりやすい。その舞台に地元馬11頭が集まった。
中心は重賞2勝を挙げる
スペルマロンと
JRA時代には
東京スプリント4着の実績がある
ダノングッドの2頭。
スペルマロンは
JRA3勝馬で昨秋に高知に移籍してくると、重賞で常に上位争いを繰り広げている。3月の 御厨人窟賞こそ9着に敗れたが、それ以外の地元馬同士の重賞では3着を外したことがないだけでなく、重賞制覇は2400mの
高知県知事賞から1300mの
黒潮スプリンターズカップまで距離の守備範囲が広い。スピードと勝負根性を兼ね備えた馬で、ここも上位争い必至だろう。
ダノングッドは今回が高知移籍3戦目。前走は園田に遠征し、重賞・園田FCス
プリントで2着。ワンターンの820m戦でありながら後方3番手という決して有利な位置取りではなかったが、南関東時代にも騎乗経験のあった
吉原寛人騎手にとっては想定内だったよう。この馬がすごかったのは直線に向いてからで、4コーナーでもまだ後方にいたのが、残り200mを切ってから目が覚めるような末脚を繰り出し、勝ち馬にクビ差まで迫った。優勝馬に騎乗していた騎手も「自分が勝ったかどうか分かりませんでした」と話すほど
ダノングッドの勢いは鋭かった。前半で後手に回る可能性がある馬なだけに、テンが速くなる高知1300m戦がどうかだが、あの末脚をここでも使えば重賞初制覇となるだろう。
高知の短距離界を背負ってきた
サクラレグナムも注目。地元馬同士の短距離重賞(1300-1400m)では7戦5勝、2着2回のオール連対だ。昨年末は
兵庫ゴールドトロフィーで勝ちを意識する内容で3着。ただ、最近は以前ほどスタートダッシュがつかないのか、これまでよりも後ろの位置でレースを運ぶことも。11歳という年齢もあるかもしれないが、ベテランの意地を見たい。
エイシンヴァラーは兵庫時代、
JRA馬相手に
黒船賞を制覇。歩様が整わず、思うような調教ができない時期が続いたが、高知に移籍し、再び重賞に姿を現した。兵庫時代から道悪が得意な馬だっただけに、梅雨の今はいいかもしれない。また、大外枠の
アースグロウは逃げて粘るなど、見せ場のあるレースもあり、展開一つで上位に食い込みそうだ。
トレノ賞は7月19日高知7R、18時10分発走予定。
(文=大恵陽子)