良馬場で行われた第56回
函館記念の出走馬は16頭。
大方の予想どおり、前走の
巴賞を逃げ切った
木幡育也の
トーラスジェミニが積極的にハナに立った。スタンド前で内に切れ込み、単騎逃げの形に持ち込んでいく。
外から上がって来た
レッドサイオンは、
トーラスジェミニに並びかける前に手綱を引いて2番手に。その内に2番人気の
レイエンダがいて、1番人気の
カウディーリョはそこから2馬身ほど後ろの好位につけている。
トーラスジェミニが単騎先頭のまま1、2コーナーを回って行く。
1馬身ほど後ろに
レッドサイオン、少し後ろの内に
レイエンダ、さらに1馬身半ほど後ろに
カウディーリョという馬順で向正面へ。
1000m通過は58秒8。先頭から最後尾まで12馬身ほどの馬群からしても、やや速い流れになったと言えよう。
トーラスジェミニが快調に飛ばす。3コーナー手前で手応えの怪しくなった2番手
レッドサイオンとの差は1馬身半ほど。そのままのリードで3、4コーナーを回りたかったところだが、4コーナーで外から
レイエンダが並びかけてきた。
木幡の左鞭が入ると、
トーラスジェミニは二の脚を使い、簡単には先頭を譲らない。
トーラスジェミニが先頭のまま直線に入った。やや馬体を離した外から
レイエンダが迫り、その内から
バイオスパークが上がってくる。
ラスト200mを切っても
トーラスジェミニが先頭だ。が、外から
バイオスパークが迫ってくる。
さらに外から、道中は中団に控えていた
吉田隼人の
アドマイヤジャスタが凄まじい脚で伸びてきて、一気に先頭に躍り出た。
後方待機から外に持ち出した
ドゥオーモ、内の経済コースを通った
ランフォザローゼスなども伸びてくる。
勝ったのは
アドマイヤジャスタ。一昨年10月の紫菊賞以来の3勝目を挙げ、復活をアピールした。出遅れるレースも多かったが、今回は好スタートを切り、道中、外を塞がれない位置を気分よく走ることができた。
1馬身半差の2着は
ドゥオーモ、3着は
バイオスパーク、4着に
トーラスジェミニが逃げ粘った。
トーラスジェミニは、道中、
レッドサイオンに突つかれ気味になり、4コーナーで
レイエンダに早めに並びかけられる苦しいレースになったが、逃げると強いことを再認識させた。
(文:島田明宏)