「
中京記念・G3」(19日、阪神)
西で、北で、重賞の舞台で大波乱が続いた。
中京記念は、しんがり18番人気の
メイケイダイハードが大金星。
函館記念は15番人気の
アドマイヤジャスタが制し、ともに3連単の配当が300万円を超え、それぞれのレースの最高払戻金額を更新した。さらに
WIN5は約1年4カ月ぶりにキャリーオーバーとなった。
函館の衝撃から10分後、阪神では、それを上回る驚きの結末が待っていた。最低18番人気の
メイケイダイハードによる差し切り劇。フルゲート18頭立てで最低人気馬による重賞Vは史上初。まさに天地がひっくり返るようなVゴールを決めた。
「誰より僕自身が一番驚いています」。超大穴を演出した酒井自身も信じられない様子。中竹師に至っては「なんで勝てたか分からない。パドックで精神的に不安定になっていたので、大差のしんがりかもと心配していた」と戦前は最下位すら覚悟していたという。
しかし、レースでは抜群の手応えで直線を迎えると、しぶとく脚を伸ばして残り100メートルで先頭へ。「うなって行っていたから止まるだろう」という指揮官の予想をいい意味で裏切り、そのまま後続の追い上げを退けた。
「こういう馬場はこなせるタイプだと思って乗りました。馬が諦めずに走ってくれた」と酒井は最終週の馬場を勝因に挙げたが、鞍上の手綱さばきも見逃せない。7番人気
サマーセントで勝った
マーメイドSに続く一発。この夏の活躍は光る。
一躍、サマーマイルシリーズの主役に躍り出た
メイケイダイハード。最後まで驚きを隠せなかった指揮官も「次走?何も考えていなかったけど、せっかくならチャンピオンを狙いたい」と夏のマイル王者に意欲を示した。
提供:デイリースポーツ