スマートフォン版へ

【クラスターC回顧】マテラスカイが2度めの日本レコード(斎藤修)

  • 2020年08月11日(火) 18時50分
 盛岡競馬場は前日の開催で芝のレースがダート変更になるほどの大雨。不良馬場となったダートはかなり速いタイムが出ていた。ダートの高速馬場ならマテラスカイには俄然有利と思われ迎えた当日。重で第1レースが始まり、第6レースで稍重、そして第10レースに設定されたクラスターCの前には良馬場まで回復。果たして、良とはいえ馬場は締まった状態で、勝ったマテラスカイの勝ちタイムは1分8秒5。3年前のこのレースでブルドッグボスが記録したコースレコードをコンマ3秒更新。さらには2008年中山・カペラSでのビクトリーテツニーのレコードをもコンマ2秒短縮する、ダート1200mの日本レコードでの快走・快勝となった。

 とはいえマテラスカイはスピードに任せて逃げ切ったわけではない。外目の9番枠ゆえ、鞍上の武豊騎手は、逃げと決めていたわけではなかった。好スタート切ったマテラスカイだったが武騎手はまわりの出方をうかがっていた。

 一方で最内枠に入ったヒロシゲゴールドの藤岡康太騎手は包まれたくなかったのだろう。積極的にハナを取りに行き、マテラスカイが引いたので、その位置関係ですんなり収まった。2番枠のアユツリオヤジも積極的に追いかけたが、これは3コーナー過ぎで徐々に後退。

 中間600mの通過は33秒7。通常の馬場状態ならハイペースだが、この日の高速馬場では、それほど厳しいペースではない。マテラスカイが控えたことでオーバーペースにはならず、レースの後半も34秒8(マテラスカイ自身は34秒6)と、そのスピードはほとんど緩むことはなく、前の2頭での決着。坂を上がって残り100mあたりではまだヒロシゲゴールドが出ていたが、最後の50mほどでマテラスカイがねじ伏せるようにとらえ、半馬身差をつけてのゴールとなった。

 マテラスカイは、これが2018年7月のプロキオンS以来、じつに2年1カ月ぶりの勝利。そのプロキオンSは不良馬場で、勝ちタイムの1分20秒3はダート1400mの日本レコード。マテラスカイはダートの短距離で2つ目の日本レコードを記録することとなった。

 前走門別の北海道スプリントCは埃が上がるほどのタフな馬場。前半34秒8で、後半が38秒0。マテラスカイメイショウアイアンにハナ差の2着(スズカコーズラインと同着)ではあったが、そのような馬場は向いていない。今回あらためて時計の出るダートでこそという、圧倒的なスピードを見せた。

 惜しくも2着だったヒロシゲゴールドは、前走京葉Sで前半32秒9というハイペースで飛ばし、それでも直線で後続を離して逃げ切っていた。その経験が、今回の高速馬場で生かされた。マテラスカイより1kg軽い54kgだったことを考えると、着差以上に力差はあるが、それでも昨年来の充実ぶりをあらためて見せた。

 2馬身半差で3着に入ったのが、JpnI勝ち(昨年のJBCスプリント)により別定59kgを背負わされた浦和のブルドッグボス。さすがにそれほど背負ってしまうと、スタートは「よいしょ」という感じでダッシュがつかず、それでも中団追走は、ペースを考えれば定位置。3、4コーナー中間から徐々にギアを上げていって、上り3Fはメンバー中最速の、なんと34秒0。ちなみにブルドッグボスは、3年前のこのレースでレコード(1分8秒8)勝ちしたときの上りも34秒1。ただしそのときは54kgで、今回59kgでということではあらためて驚かされる。8歳でも衰えはなく、定量で走れるJBCスプリント(今年は大井1200m)ではあらためて期待となりそうだ。

 2番人気に支持されたトップウイナーは、3着のブルドッグボスからさらに2馬身半差があっての4着。マテラスカイの直後を追走したが、4コーナー手前では追走に一杯になっていた。ダートの1200〜1800mで勝ち星があるというオールマイティなタイプだが、さすがに日本レコードになるような流れには対応できなかった。

 10歳のメイショウアイアンは5着(勝ち馬と1秒4差)。一昨年のこのレースが6着(同1秒6差)で、昨年が7着(同0秒9差)だったが、今回は着順を上げてきた。坂のあるコースより平坦な門別コースのほうが合うことは確かだが、それでも年齢を考えれば誇れる成績だ。

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・コメント非表示の使い方
  • 非表示をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

アクセスランキング

注目数ランキング

ニュースを探す

キーワードから探す