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今年開業と思えない宮田厩舎が新潟新馬戦に投入する2頭の若駒/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2020年08月12日(水) 18時00分
 連続開催後半に突入する新潟競馬は計3鞍の新馬戦を予定。今夏は梅雨明けが遅かったことで本格的な酷暑となったのは先週から。実戦経験のない新馬の仕上げには、より神経を使うことになるだけに、送り出す側の「厩舎力」も問われる。そこで当欄は今週の新馬戦に2頭の若駒を送り出す宮田厩舎にスポットを当ててみた。

 開業が今年3月の宮田厩舎にとって初めてデビューから管理する世代。それだけ厩舎カラーが色濃く反映されることになろうか。総指揮官の宮田調教師の最大の特徴といえば、師匠の国枝調教師同様、とにかく“よく歩く”。暑いさなか、厩舎と主たる調教場の南スタンドを幾度となく往復しながら陣頭指揮を執る合間に、取材に応じてもらえた。

 まず日曜(16日)芝外1800メートルを予定しているのはアドマイヤハレー(牡=母アドマイヤシーマ)。期待外れの声も聞こえていたモーリス産駒だが、先週は新馬戦で一気に3頭が勝ち上がり、逆襲ムードが漂ってきたうえに、母父がディープインパクトと、次世代のうねりとなり得る血統背景を持っている。

「2か月前にゲート試験に合格して、放牧を挟んでの再入厩。450キロほどでさほど大きくはないけど、非常にバランスのいい馬ですね。少し不真面目な面はありますが、実戦はそういった気性を踏まえ“しっかり追ってくれる騎手に”と思い、岩田(康)さんを選びました」(宮田調教師)

 このアドマイヤハレーが1週前追い切りで南ウッド5ハロン66.3-12.7秒をややハードに追われたのに対して、4ハロン55.3-12.5秒とソフトだったのが、土曜(15日)芝外1600メートル予定のロンドンネス(牝=父Iffraaj母London Welsh)。父の産駒はまだなじみが薄いものの、JRAでデビューした3頭はすべて勝ち上がっており、血統面でも注目できる存在だ。

「口向きに難しさのある馬なので、ジョッキー(北村宏)に2週続けて乗ってもらい“あまり強くやり過ぎずに”と相談しながら調整しています。いずれは短い距離になるかもしれませんが、いい素質は感じますね」

 馬の個性に合わせた調教法に騎手選択。とても開業間もない厩舎とは思えない。そんな宮田調教師にとって新馬戦はどのような位置づけなのか?

トレジャーアイル(6月の東京芝1400メートル新馬戦で3番人気7着)がいきなり飛んでしまいましたから…。当時は初めての新馬戦で人間のほうが気負っていたと思います。新馬がすべてではないですからね。今は馬の成長度合いや個性の違いの中で、先々のローテまでを考え、トータルでどういった仕上げをしていくかだと思うようになりました。まず先々につながる競馬をさせることが第一。もちろん結果が伴えば、それは素晴らしいことですけどね」

 まだ船出して間もない宮田厩舎だが、馬に対する熱意と真摯な態度は厩舎のスタイルとしてすでに完成されているように思う。そんな環境で育った2頭の若駒の走りを楽しみに待ちたい。

(立川敬太)

東京スポーツ

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